野の草を見つめながら 第1回 神様が着せてくださる白い衣

フォトグラファー 市川五月

皆さん初めまして。昨年の6月に『都会に咲く小さな草花さえも』という都会の野草と聖書のことばのコラボ写真集を出版させていただきました。15年間の写真家人生で初の写真集となったこの作品は、不思議な神様のご計画でした。
23歳で写真の学校に通い始めたころ、いやそれ以前だったかもしれません。そう、あれはまだ10代のとき、インスタントカメラで写真を気ままにでも、こだわりながら撮影していたのが野の花や空でした。どこにでも咲いているような道端の花ばかりでした。
すでにクリスチャンだった私は、「今日あっても、明日は炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこのように装ってくださるのなら、あなたがたには、もっと良くしてくださらないでしょうか。信仰の薄い人たちよ」(マタイ6・30)の、みことばを思いつつ当時、野の草に自分を投影させながら撮影していたものです。
写真は「写心」とよく言われるように、これまでの人生の経験が写真に表されていくのだと思います。15年経った経験やこれまでの人生すべてが無駄でないことを神様はご存じであり、この写真集を通して私に改めてそのように教えてくださったと感じています。
この「いのちのことば」では、表紙の写真のバックストーリーなどを交えながらこの場でご紹介できたらと思っています。
今月の表紙の写真は、東京で20センチ以上雪が積もった日に撮影したものです。
皆さんが自宅でじっとしていたい、そんなときこそシャッターチャンスが訪れます。といっても、この写真を撮ったのは自宅から1分もかからないような場所でした。すでに5センチは積もっていたでしょうか。可愛らしい野の草がふわふわの雪に覆われていました。
東京は気温があまり下がらないので、こういったふんわりとした雪は滅多に見ることがありません。
神様が着せてくださる白い衣はこんなふうに優しく、暖かく着心地のよいふわふわな衣なのではないかなと思いました。
イエス様の犠牲の愛は私たちには計り知れない大きな大きな愛です。
そんな神様の愛がこの写真から伝わりますように。