英語で読み比べると聖書が味わい深い 心を尽くして主に拠り頼め
J.Clay Mission Network 永井敏夫
Trust in the Lord with all your heart, lean not on your own understanding.
Proverbs 3:5-6, NIV
一九七八年八月、私は軽井沢で主に出会った。当時、その地には多くの大学生たちにマム(お母さん)と呼ばれ慕われていたアメリカ人女性がいた。名前はジニー・ホーグ。宿泊施設「恵みシャレ―軽井沢」の敷地の白い家(現在の「ウッドシェッド」のもとになった)に住んでいた。主に出会い受洗した私に、マムは『日々の光』をプレゼントしてくれた。彼女がその内表紙に英語で書いてくれたのがこのみことばだ。今でも私は、出かけるときに歩きながら英語か日本語でこの5、6節を自分に言い聞かせる。救われてから四十数年が経つが、このみことばを口ずさむと信仰のスタートラインに立つ自分がいる。そうするたびに、私は自分の身が引き締まる思いがしてくる。
別の言語(私の場合は英語)で聖書を読むと、母語で読む際に気づかなかったことに、はっとすることもある。
I praise you, for I am fearfully and wonderfully made. Wonderful are your works; my soul knows it very well.(Psalm 139:14, ESV)
新改訳では、「私は感謝します。あなたは私に奇しいことをなさって/恐ろしいほどです。私のたましいは それをよく知っています」となっている。
fearfully and wonderfully madeという英語には独特のリズムがあり、今の私の心にぐっと迫るものがある。入念に丹精込めて私を形作ってくださった神の心、そして眼差しさえ感じるような気がしてくる。
『英語で味わう聖書のことば』(いのちのことば社)という本を最近手にした。まず、第1章「あなたは誰か」から始まる。そして「神はどんな方か」、「心の状態はどうか」、「あなたはどこへ行くのか」、「あなたへの計画は何か」、「なぜ生きるのか」、そして第7章「いつ応答するか」で終わっている。
英語のみことばを解説しながら、読み手の心の状態に深く迫ってくる文章だ。特に第3章「心の状態はどうか」は、心を守ること、心の思いが人を造り、心にあることが口から出ることが書かれている。みことばを読む人が自らの心を深く探ることができるように編まれていて、文章も簡潔で的を射ている。
数人で一緒にこの本を読みながら、日本語、または英語でそれぞれの思いを聞き合うのもいいかもしれない。相手の思いを聞くことを通しても、また違った角度からの発見があると思う。
英語で味わう 聖書のことば
長田晃 著
B6判 112頁
定価1,100円+税