野の草を見つめながら 第7回 クローバーからのメッセージ
フォトグラファー 市川五月
暑い夏がやってくると、アスファルトに咲いている細くて繊細な野の草たちはどうなってしまうのだろう? 枯れて、なくなってしまうのだろうか? そんなことを思いながら撮影に出かけました。
あまり人が通らないのか、住宅街にある大きな階段には、野の草がたくさん生えていました。アスファルトであるにもかかわらず、その隅に溜まったほんのチリの塊のような土から生えた野の草たち。ものすごい生命力を感じます。
それぞれは小さいものたちですが、そこら中に生えていると、まるで一つの大きな植物のようです。その中の一角に、このクローバーがありました。
日本で「クローバー」というと、昔から、「四つ葉のクローバー」という幸運のアイテムのようなイメージを思い浮かべますが、「三つ葉なんて、三位一体みたいだよなぁ」と思って調べてみたら、アイルランドの司教である聖パトリックは、なんとこの三つ葉を使って三位一体を説明していたそうです。
さらに調べて見るとクローバーの花言葉は「約束」で、三つ葉は「信仰・希望・愛」を表しており、四つ葉は十字架に見立てられ、幸運の印とされてきたのだそうです。
思いのほか、聖書的な要素を含んだ意味がたくさん込められていました。
英語の花言葉は「think of me(私を思って)」、四つ葉は「be mine(私のものになって)」というのだそうです。何だか神さまの熱烈なラブコールのようです。
私たちが愛するよりも、まず神さまが私たちを愛してくださる。そのメッセージは、実はとっても身近な場所に表されているなとつくづく感じます。
空も風も空気もすべての自然や動物も、神さまが私たち人間のために造ってくださったもの。それは私たちを愛するゆえ。
イエスさまの十字架は何より、その大きな愛の証しですが、それだけではないことを、私たちはもっと身近なところで知ることができるのです。
「私たちは愛しています。神がまず私たちを愛してくださったからです。」
(Ⅰヨハネ4:19)