喜びへの門をくぐる
保守バプテスト同盟・泉聖書バプテスト教会 牧師 中野正義
『キリスト教信仰を知るための22章』
野田 秀 著
B6判 1,000円+税
いのちのことば社
一気に読ませていただきました。入門書として書かれたものですが、信仰歴の長い者にも、自分の信仰の土台を考えさせられるものでした。一人で、一気に読んでいくのもすばらしいし、グループで、一章ずつ読んで考えていくのもすばらしいと思います。
自分が感じることこそが正しいことだと言ってはばからないこの時代に、聖書には幸福の基準がはっきりと書かれていると宣言します。その意味ではとても挑戦的な本です。
そして、罪について多くの章を割いて、いろいろな角度から述べられています。罪の自覚こそ、神の救いによる喜びの土台だからです。この部分は、長い信仰歴の者も自分の罪の状態を考えるために大切なところだと思います。神様に愛されていることを受け止めきれないで、自分で自分の価値を作り出そうとして疲れてしまっている私たちの現状を、見せつけられる思いがしました。あらゆる罪の根には、神の愛を知ろうともせず、それを邪魔なものだと拒否することがあります。それをあらためて気づかされます。
イエス様を受け入れ、深く知れば知るほど、自分の姿が見えてきて自分の罪を深く自覚します。それが赦されていることを知って、十字架の愛の素晴らしさを思い、さらに深い感謝と喜びの歩みをしていきます。
「わかっているつもり」に挑戦する本として読ませていただきました。
神学生時代に『教会生活のこころえ』(いのちのことば社、一九八二年)を読ませていただいたときから、心にしみる表現をする先生がおられると思っておりました。それと同時に、私が大学生時代から(今も、男声合唱団OB会で)歌っている「学生歌」の作詞者と同姓同名の牧師がおられることを知りました。この「お二人」が同一人物であられることを確認するのにかなりの時間がかかってしまいましたが、今じっくり先生のご著書を読ませていただくことの幸いを思わされています。
信仰の土台を確認し、喜びに満たされるひと時が与えられました。