~Daily Light~ 第2回心を照らす光

石居麻耶 Maya Ishii
千葉県出身。アーティスト。画家。イラストレーター。東京藝術大学大学院美術学部デザイン専攻描画造形研究室修了。
大学卒業後の個展やグループ展等の展覧会やホームページ、ブログで発表した作品をきっかけに本の装画、週刊誌、文芸誌、新聞連載のイラストなどの仕事を担当。

目が覚めたときから晴れている朝には、昇る太陽の輝きに心浮き立つ思いがしたり、まぶしさに目を細めてみたり、まだ眠たいと目をこすりながらも、朝の光に背を押されるようにして、一日の始まりを受け入れてゆくひとときもあります。
光に照らし出され、色彩を増す風景が目の前に広がってゆく。目に見えないものは気づきにくく、目に見えるものはすべて見ていると思ってあたりまえになってしまい、大切なものを見失っていることがあります。通りすがりの景色。街ですれ違う人々。名前のない路地裏。道なき道。目に映っては過ぎてゆく光景を、端から端まで鮮明に覚えてはいません。それなのに、遠い過去に見た風景をいつまでも覚えていることがあります。私たちは何を本当に見ているのでしょうか。

「雲の上はいつも晴れ」という言葉があるように、私たちは晴れの日や空にどこか希望を重ねています。目の前に暗雲が立ち込める日々にあっても、その向こうにいつも晴れわたる空と太陽の光があると思うと、雨の日でも曇りの日でも心は晴れやかでいられるように思います。一方、空が晴れていても、心は沈んでしまう日があります。でも、そのような日にも、消えない光があると知りました。

「あなたの太陽はもう沈むことがなく、あなたの月は陰ることがない。主があなたの永遠の光となり、あなたの嘆き悲しむ日が終わるからである。」(イザヤ書60章20節)

「見える」「見る」ということが、心に照らされたものを選び取ることだとしたら、いろいろなものに目を向けることも閉じたまぶたの奥で想像することもどちらも大切で、目に映るものだけがすべてではなく、心の目が開かれ、苦難の時には希望の光景を見ることにもつながる気がしています。

「あなたのみことばは 私の足のともしび/私の道の光です。」(詩篇119篇105節)