こころを灯す光 第6回 受洗の日
頓所 康則
プロフィール
新潟県燕市出身。1985年生まれ。ハガキにペンを使って、その時その時の思いを描く活動をしている。どう生きたらいいかわからなくなった時に聖書に出合い、主イエスを信じる。2019年11月3日、新潟福音教会にてバプテスマを受ける。
無人の礼拝堂が好きです。どうしても日曜にお休みが取れなかったり、自分の心に一区切りつけたいと思った時は、平日でも自然と教会に足が向きます。
誰もいない静けさの中、一人の祈りの時間。仕事のこと、日常の何気ないこと、この先のこと、心に溜まった思いを声に出して祈ります。その後に決まって歌うのは『新聖歌』355番「主と共に歩む」。軽やかな曲調と歌詞に心惹かれて、洗礼式の時にリクエストした思い出深い曲です。
洗礼は下川羊和牧師から授かりました。私が新潟福音教会を訪れたのは、ちょうど羊和先生が赴任されて来たばかりの頃でした。羊和先生はボロボロの状態の私を一目見て、「この人には救いが必要」と思ってくださったそうで、その後、信仰の学びを導いてくださいました。
場所は教会に備え付けの洗礼槽で。真白な洗礼着に身を包み、みんなの前でどうしてイエス様を信じるに至ったかを証ししました。消してしまいたいような過去をさらすのですから、ブルブルと震え、号泣しながら読み上げました。
洗礼槽に半身を浸け、いざこれからという時なのに「本当に大丈夫なのだろうか」と不安な気持ちでいっぱいで、そうこうしているうちにジャポンと頭まで水に浸けられ、すぐに引き上げられました。みんなから「おめでとう」と笑顔で迎えられ、たくさんのお祝いの品もいただきました。直前までどこかで疑っていた自分が恥ずかしく感じました。その日の様子をまとめたフォトアルバムは、私の大切な宝物です。
証しの最後に詩篇133篇1節を入れました。コロナ禍が収まったら、洗礼式の時みたいにみんなで楽しくごはんが食べたいです。
「見よ。なんという幸せ なんという楽しさだろう。
兄弟たちが一つになって ともに生きることは。」(詩133・1)