こころを灯す光 第9回 伝えること
頓所 康則
プロフィール
新潟県燕市出身。1985年生まれ。ハガキにペンを使って、その時その時の思いを描く活動をしている。どう生きたらいいかわからなくなった時に聖書に出合い、主イエスを信じる。2019年11月3日、新潟福音教会にてバプテスマを受ける。
これまでに「しかさんの展示」と題して、3箇所で展示を行ってきた。プロフィールやキャプションでクリスチャンであることや、聖書をモチーフに描いてあることをひっそりと記したが、はじめはとても勇気のいることだった。
それでも実際展示を行ってみると、クリスチャンということで敬遠する方はいなかったし、むしろ聖書に興味を持ってもらえたり、「以前どこどこのミッションスクールに通っていましたよ」といった声も聞こえたりした。
絵を通じて、間接的に福音を伝えられている点はとても良いと思う。よくわからない人からいきなり、「聖書のみことばは素晴らしいものだ。主イエスを信じなさい」と言われても、人は驚いてしまうだろう。
現に、子どもの頃、実家に宗教の勧誘のために人が訪ねてくることがあったし、中学生の時に学校の周りでそういった冊子を配っている人がいたりと、正当なキリスト教であったかどうかわからないけれど、「宗教=怖い」といったイメージが私の中に根づいてしまっていた。
教会は安心できる場所。主に愛されている実感。これらは身を置いて、はじめてわかることだ。その気持ちが、私自身の立ち振る舞いや、絵に宿り、見る人の心に届いているのだとしたら、とてもうれしい。
イエスさまは「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい」(マルコ16・15)と言われた。このみことばは義務的なものには聞こえない。
連載をさせてもらっているだけでも奇跡なのだが、私のこの小さな絵が世界のどこかの人にも届くのではないかと思うと、私の心はまるで、夢見る子どものように楽しげに踊るのだ。