リレー連載 牧師の趣味 アクセサリー作り

日本キリスト改革派
但馬みくに教会

吉田 実

十数年前に一人の生きにくさを抱えた青年と出会いまして、今も交流が続いています。
その青年は、人と接することが極端に苦手で、お母様と二人暮らしなのですが、数年前にお母様が大きく体調を崩されたことがありました。その時に、彼が「母が亡くなったらぼくは、もう生きてはいけない」と申しますので、そんなことを言わないで、自分なりにできることを一緒に探そう、ということになりました。

それで、いろいろと試行錯誤を繰り返した結果、たどり着いたのが、このドライフラワーを使ったアクセサリー作りでした。生花を摘んでシリカゲルの粉に埋めると、一週間ほどで、色が残ったままドライフラワーになります。それをもとに、「レジン」という樹脂を塗り重ねては紫外線ライトで固めることを繰り返しながら、ブローチやペンダントトップ、イヤリングなどに仕上げていきます。

アクセサリーなどにはまったく縁のない男二人が始めたことですので、当初は変なものをたくさん作って笑われましたけれども、ようやく使っていただけるようなものができるようになり、来会者へのプレゼントなどに利用しています。アクセサリー作りをするようになると、女性方が身に着けておられるアクセサリーについ目がいって、密かに心の中で「なるほど、そうきたか」などと思いながら、勉強させていただいています。もちろん、じろじろ見たりはしません! あくまでさりげなく、です(笑)。

また、花を見る目も違ってきました。花屋さんの前では必ず立ち止まって「これ、使えるんじゃないか」などと思うようになりました。そして何よりも、神様のデザインの素晴らしさに、あらためて気づかされて、心から感動を覚えています。花の色と形と模様と質感の組み合わせは絶妙で、よほど優れたデザイナーの作品であるに違いないと、認めざるを得ません!

 

【プロフィール】
神戸市に生まれ育つ。美大で洋画を学び、中学校の美術教師を11年務めたのちに献身。神戸改革派神学校卒業後、神戸長田教会の牧師を22年務め、2020年より但馬みくに教会牧師。