Amazing Grace 第2回 雪山での奇跡 ~今月の山~ 遠見尾根

写真
ベアンテ・ボーマン
プロフィール
スウェーデン出身。宣教師。チェロ奏者。1980~2011年まで東京交響楽団の首席チェロ奏者を務める。現在は、ソロや室内楽、客演首席チェロ奏者としての演奏活動を行う一方で、チャペルコンサートをはじめとする宣教の働きにも携わる。
2003年9月に公募部門で全日本山岳写真協会賞を受賞。全日本山岳写真協会会員。

長野県の遠見尾根にテントを張り、強風で飛ばされないようにテントの周囲に、雪を固めて作ったブロックを積み上げ、数日間滞在しました。

ある夜、吹雪に見舞われ、テントが強風で激しく揺れたので飛ばされるのではないかと恐れ、もしテントが飛ばされるようなら雪穴を掘って身を守ろうと、登山靴を履き、シャベルを用意しました。そのとき、聖書のある箇所を主は私に思い起こさせてくださいました。

弟子たちとイエス様が舟に乗って湖を渡っていたとき、大暴風が起こり、舟が大波をかぶっているにもかかわらず、イエス様は眠っておられたので、弟子たちが「主よ、助けてください。私たちは死んでしまいます」と起こすと、風と湖を叱りられつけたので凪になった、というマタイの福音書8章23~26節です。

「イエス様は私のテントの中にもおられるのではないか」と思うと、いつの間にかぐっすり眠り込んでしまったのでした。

翌朝、目が覚めて外に出てみると、テントは飛ばされず、固く重い雪の塊はすべて吹き飛ばされていたのでした。その奇跡は忘れられないものです。今月の写真は、その奇跡を体験した翌朝に撮ったものです。