読書会、始めてみませんか? オーディオブックによる読書会
東京フリー・メソジスト教団・小金井教会 主任牧師 宮川浩二
「聴くドラマ聖書」を作成、提供している日本G&M財団が、聖書だけではなく、キリスト教図書も次々とオーディオブック化して、それらによる読書会を提案しています。JSU(Just ShowUp:来るだけでオーケー)ブッククラブと銘打たれている読書会です。読書会というと読んでこないとなかなか議論が進まないのですが、この読書会ではオーディオブックの朗読を聴いた後に感想を述べ合うので、読まなくても参加できるというものです。ただ、読んで参加するほうがはるかに良いと思いますが。
読書会というと地味な印象を受けますが、そこにオーディオブックが絡むことで、印象がかなり変わります。読書離れが進む中でオーディオブックがだんだんと浸透し始めている印象を受けます。これから「聴く」読書が新しいライフスタイルになりそうです。
筆者は牧師なので、仕事柄、教える立場に立つことが多いです。それゆえ、対等の立場でいっしょに聴いて(読んで)、感想を述べ合うことは新鮮です。教える立場でない人にとっても、時間に追われる昨今では読書会に参加するというのはハードルが高いのではないでしょうか。それがオーディオブックという目新しいメディアによって、そのハードルが押し下げられているように感じられます。
この姿というのは、教会のあるべき姿とも言えることではないでしょうか。互いに教え合うことがクリスチャンの群れに勧められていて、これが教会のあるべき姿と捉えられます。教会の中で教職者は教える立場にありますが、教える人、教えられる人によって成り立っているのが教会ではなく、さまざまな立場を超えて教え合うことが求められています。「キリストのことばが、あなたがたのうちに豊かに住むようにしなさい。知恵を尽くして互いに教え、忠告し合い、詩と賛美と霊の歌により、感謝をもって心から神に向かって歌いなさい」(コロサイ3・16)。
財団が主催しているモデルのような読書会、自分の教会にも導入している読書会を通して、実際に何冊も本を読むことができ、たくさんの恵みを受けることができました。これはグループ効果によることで、一人で読んでいたら、そんなに読めなかったことでしょう。いっしょに読む人がいて、互いに感想を述べ合うことで、教えられたことによると思います。体験者として、加わってみること、やってみることをお勧めします。