Amazing Grace 第8回 揺るぎないもの ~今月の風景~富山県剱岳

写真
ベアンテ・ボーマン

プロフィール
スウェーデン出身。宣教師。チェロ奏者。1980~2011年まで東京交響楽団の首席チェロ奏者を務める。現在は、ソロや室内楽、客演首席チェロ奏者としての演奏活動を行う一方で、チャペルコンサートをはじめとする宣教の働きにも携わる。
2003年9月に公募部門で全日本山岳写真協会賞を受賞。全日本山岳写真協会会員。

今月のこの写真は劔岳の北の尾根、いわゆる北方稜線で撮影したものです。
日本で最も有名なロッククライミングスポットの一つであるチンネ(巨大な岩壁をもつ尖峰)の前の標高2550メートルの狭い頂上に、何度かテントを張りました。このような力強く不動の岩の前に有限の人間が立つと、畏怖の念と謙虚な思いがわき起こります。
無限の全能の神は、聖書の中でしばしば「岩」と表現されています。価値観、哲学、文化やファッションが常に変化する世界に私たちは住んでいます。状況の変化に応じて、私たちは平安や希望を失ってしまうようなことがあるのではないでしょうか。イエス・キリストは昨日も今日も、とこしえに変わることのない方であり(ヘブル人への手紙13章8節)、不動の岩、壊れない岩です。
多くの苦難や困難を経験したダビデは「私のたましいよ 黙って ただ神を待ち望め。私の望みは神から来るからだ。神こそ わが岩 わが救い わがやぐら。私は揺るがされることがない」と語ってから、「民よ どんなときにも神に信頼せよ。あなたがたの心を 神の御前に注ぎ出せ。神はわれらの避け所である」と勧めています(詩篇62篇5~ 6、8節)。