連載 リラ結成30年 いつまでも賛美をこの口に 第10回 ひだまり 松浦千登勢
LYRE(リラ)
1993年に東京基督教大学の神学生たちによって結成された賛美グループ。卒業後、コンサート活動をしながら、6人のメンバーは各々のところへ遣わされ、主のみわざに励んでいる。
幼い頃、私は毎週、大好きなおばあちゃんと大好きなプロレスを観戦していた。中でもタイガーマスクがお気に入りで、彼が勝利することを心待ちにしながらその時間を過ごした。おてんばな私はビー玉やめんこで遊ぶのが好きで、近所の男の子たちと競い合い勝ち取ったビー玉やめんこを箱いっぱいに集めることを楽しんでいた。また、沖縄特有の家の形をしたお墓の屋根は緩やかなカーブ状になっていて、その上で大の字になって、空を眺めながら寝そべることがルーティンだった。
さらなるルーティンは、時折家の近くにやってくるホームレスのおじいさんのために、こっそり家に帰って二人分のおにぎりを作って持っていき一緒に食べたり、おしゃべりしたりして楽しむことだった。そしてイエス様のことを伝え、祈ることも忘れなかった。
小さな頃の私は、単純で、恐れ知らずの野生児ではあったが、イエス様が大好きで、イエス様ならこうするだろうと思うことを躊躇なく実行に移す子でもあった。そんな幼少期を思い出すと、思わず笑いがこぼれる。
しかし、成長するにつれ、そんな私でも人並みに複雑な状況に直面していく。知恵や知識が増す一方で、物事が思うように運ばないことがあることに気づく。人の目や、評価を気にするようになり、良いことだと思って行動しても、結果がついてこないこともある。自信をなくし、前に進むことができなくなる。気づくと不必要に心配性になっていた。小さい頃に比べれば身なりはずいぶん整ったが、内面は恐れに覆われるようになった。
人は自信がなく恐れに心を覆われると、容易く心を閉ざす。心を閉ざすと人との関わりを避けるようになる。人と関わりを持たなければ傷つかないし、楽に生きられると思い込むが、実際にはそれはただの錯覚で、得られるはずの良いものを逃していることに気づかされる。恐れとは、全くもって良くないものだ。
「全き愛は恐れを締め出します」(Ⅰヨハネ4・18)
前進するためにも、私たちの中にある恐れを根こそぎ取り除く必要がある。しかし、人間の力だけでは恐れを取り除くことは決してできない。恐れはさらに恐れを呼び寄せる。足かせとなり前に進むことができなくなる。その恐れを取り除き、恐れの穴から私たちを救い出し勝利してくださる唯一のお方がいる。それがイエス・キリストだ。
悩みすぎたとき、心配事が増えたとき、あのむじゃきで明るい子ども時代の笑顔と素直さを思い出し、どんなときもイエス様にゆだねていける私でありたい。
ひだまり
詞/曲 若林栄子
むじゃきな笑顔が輝くのを見てたよ
日だまりの中にはずむ笑い声
君たちはいつもとっても元気だよね
悲しいことなどすぐ忘れちゃうの?
君たちをみてると イエス様が子供を
大好きなこと 分かる気がしたよ
風に吹かれて空の下走ってる
君たちみたいに私もなりたい
悲しくなると大きな声を上げて
澄んだひとみからあふれる涙
君たちはいつもとっても素直だよね
今泣いてたのにもう笑っている
君たちをみてると イエス様が子供を
大好きなこと 分かる気がしたよ
風に吹かれて空の下走ってる
君たちみたいに私もなりたい
風に吹かれて空の下走ってる
イエス様が好きな子供のように
私もなりたい
©Eiko Wakabayashi