連載 New Life, New Light 第1回 ニューボーンフォトとの出会い
フォトグラファー
辻まき子
三重県在住。東京基督教大学卒業。photo studioハナレ所属。2016年からニューボーンフォトや家族やプロフィール撮影を中心に、その人らしい自然な姿を残せるよう心掛けて撮影しています。
Instagram@maccopiでは日常の写真をご覧いただけます。
6年前、SNSでふと目にとまった1枚の写真。
小さな赤ちゃんに水色の布がそっとかけられ、その愛らしさにこころ惹かれた私は、思わずスクリーンショットを残しました。その時は「ニューボーンフォト」という言葉さえ知りませんでした。
ある日、お客さまから「ニューボーンフォトは撮れませんか?」と尋ねられたことをきっかけに、ワークショップへ参加。ニューボーンフォトとは、生まれて28 日以内の赤ちゃんを母の胎内にいた時のようなイメージでおくるみで包み、アートに表現する写真です。もともと欧米で広まり、日本でもここ5年ほどで一気に浸透してきた新しい記念写真文化です。
自然な表現が好きな私には少し抵抗がありましたが、生まれたばかりの赤ちゃんの輝き、パパママの初々しい姿に魅了され、この新しさに包まれた瞬間にしか残せない価値があると実感しました。
出産経験のない私が取り組むにはいくつもの課題がありましたが、今ではニューボーンフォトは、私にとって「ありのままの美しさ」を教えてくれる特別な時間です。
このたび1 年間、雑誌の表紙を担当することになり、驚きと喜びでふるえていますが、精いっぱい向き合いたいと思います。生まれたばかりの赤ちゃんの写真を通して、「誰もがこんなにも尊く美しい瞬間を持っていたのだ」と感じていただけたらと願います。