367 時代を見る眼 次世代伝道のために〔1〕 教会にしかないもので勝負
単立 木山キリスト教会 牧師
松尾 献
教会は、次世代伝道のために祈り、様々な取り組みをしています。ある教会は、イースター、クリスマス会など、ここぞ! というときの特別集会に力を入れます。チラシはカラーで。ゲームも景品もスペシャルバージョンで準備します。
しかし、そこに新しい子どもが来ても、毎週の教会学校にはつながらない、というのが現状ではないでしょうか。一体どうしたらいいのでしょう。
「イエスは彼に言われた。『わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれも父のみもとに行くことはできません。』」(ヨハネ14:6、下線筆者)
教会の勝負どころは、チラシやゲームや景品の内容ではありません。子どもたちが福音を受け取らなければ、救いはないのです。正直に言うと、子どもの心に届くゲームや景品は、教会の外にも溢れています。しかし、福音は、教会の外にはありません。そのことを思うとき、次世代伝道のために、私たちが最も力を注ぐところは「みことば」だと思うのです。
子どもの教会離れによく「中学校の部活・受験」が挙げられますが、小学校高学年あたりから「心」の教会離れは始まっています。今まで元気に賛美していた子どもが、小声になる。ダンスも嫌々……。聖書の話にも飽きてきます。
神のことばよりも、周りの言葉に合わせたほうが、いろいろうまくいく気がします。教会学校で聞いてきた事柄が「実は通用しないじゃないか」と不安になる時期がやってきます。
そんな葛藤を抱えた子どもに、教会ができることは、それでもなお届く神のことばを取り次ぐことです。子どもの現実に届く説教を目指して、教会で励まし合いたいと思います。子どもにメッセージの感想を聞く、教師会で説教を振り返る、セミナーを受講するなど、やり方は様々でしょう。
私がお仕えしていた教会の子どもが、友達を毎週の教会学校に誘うようになりました。「この悩んでいる友達にメッセージを聞かせたい!」と思ったから、とのことでした。みことばが子どもに届くと、子どもは、いつもの教会に友達を誘い始めます。
特別集会は年に数度です。しかし、神のことばは毎週語られます。私たちはもっと福音の力を信じたいと思います。