ブック・レビュー レフトビハインド6
『アサシンズ』

レフトビハインド6『アサシンズ』
津田真吾
単立 町田キリストの教会 副牧師

神の計画の中に生かされているクリスチャン

 前作『アポリュオン』に続き、「レフトビハインド」シリーズの第六巻目『アサシンズ』が発売された。

 「アサシンズ」とは「暗殺者たち」という意味である。タイトルのとおり、暗殺が企てられ、そのいくつかが実行されていく。

 このシリーズは、今を生きる、そしてこれからを生きていくクリスチャンに大切なメッセージを語ってくれている。

 それは、神の計画はキリストで終わったのではなく、今もなお続いているということであり、そして、私たち一人ひとりがその計画の中で生かされ、その計画を負っているということである。

 クリスチャンは、そのことをどれだけ意識しながら日々生活しているであろうか。まさに、このシリーズに登場する者たちもストーリーが展開していく中で、神の計画の中で生かされていることに気がつかされ、神の計画のなかで自分たちにゆだねられている働きをしていくのだ。

 今回の『アサシンズ』では暗殺という血なまぐさいテーマの中で、クリスチャン同士の関わりの尊さが印象深く描かれている。

 主人公のレイフォードは反キリストに対する怒りから個人の信仰に偏り、孤独を感じていく。そのような彼に対して周りは心配し、祈り、愛をもって接する。初めは、そのことに素直になれなかった彼も悔い改めて彼らと和解し、再び神の愛に触れられていくのである。

 神学的にこのシリーズがどうかということはさておき、まずは楽しんで読んでいただきたい。そして、神が私にクリスチャンとして今を、そしてこれからをどう生きていくようにお望みになっているのか、ということを今一度問いかけていただきたい。