「チェーン式聖書」をオススメします。 聖書を学ぶのに最強のガイド

清水 悟
日本メノナイト・ブレザレン教団 恵みの丘キリスト教会 教会学校校長

 私は「チェーン式聖書」を、主に教会学校(CS)や家庭集会のメッセージの準備に活用しています。まず、その週のメッセージ箇所に該当する書の緒論を読んで、その著者、書かれた背景や目的、アウトラインなどをつかみます。次に本文を読みながら、すぐ下にある注釈を読みます。

 聖書本文だけでは知りえない原語での意味や文法、歴史的背景をふまえた解説、主要な教理の説明がとても役立ちます。注釈を読むと、いままで聞いたことがなかった知識を得ることができたり、わかっていたつもりでも意外と理解できていなかったことを確認できたりします。

 主要な語句や教理は、注解で説明されていますが、あわせてチェーン式引照を使うととても便利です。その語句(教理)が使われている聖書箇所から箇所へと飛んでいくと、聖書全体を通して理解するのに有益です。

 メッセージの箇所が、福音書の場合は、「福音書の調和表」で並行記事のチェックも欠かせません。索引は、語数は多くないものの、単なるコンコーダンスだけでなく、その語句の意味、その語句が出てくる他の聖書箇所や使われ方が載っています。この索引はとてもおもしろく、ためになるので、メッセージの準備とは別に、ここだけを読むこともあります。聖書地図も、特にCSでは必要となることが多いので確認します。こうして取り組んでいくうちに、自然とその箇所の中心ポイントがはっきり見えてきます。あとは教師用テキストなどの解説をあわせて読めば、準備はばっちりです。

 緒論、注解、索引などの機能が一冊にまとまっている「チェーン式聖書」は、本当に便利です。専門の注解書と比べるとボリュームは少ないですが、分厚い本を引っ張り出してくるのは意外と面倒なものです。その点、本書はその聖書箇所と同じページが巻末にあってすぐに見ることができるので、わざわざ調べようとしなくても自然と聖書知識が身についていきます。

 聖書を学ぶのに手放せない、私にとって最強のガイドです。一般的な聖書より大きく、少し値段も張りますが、それだけの、いやむしろ一生ものの価値のある書です。