風色のカレンダー 23 「作品」+「作品」=夫婦円満?

「作品」+「作品」=夫婦円満?
相馬正人
フォトグラファー

 「ご夫婦で好きなことができて、いいですねえ」などとよく言われる。教会には、もっと素晴らしい夫婦がいらっしゃるので、こちらも「あんな夫婦になれたらいいなあ」と思っている。

 それはそうと撮影現場の話。家内が作品を作り、私が写真を撮る。非常にデリケートな作品が多いので、がさつな私は細心の注意を払って配置する。ピンセットも使う。うっかり壊してしまった日には、離婚問題(笑)に発展するかもしれない、と手元が震える。夫婦仲むつまじく、と言いたいが撮影中はミニチュアという作品が、さらに写真という形で、新たな作品に生まれ変わるので、自分の感性が問われることになる。緊張のため汗だくである。

 撮影が無事終わると、急に空腹を覚える。なので、たいていは近くの回転寿司に行くのだが、店の入り口に飾ってあるミニチュアの寿司を見て、「今度これ作れば……」とまた仕事の話になる。なかなか疲れがとれない……。


* 今回は事情により、表紙の写真を撮影している、ご主人の正人さんに執筆していただきました。