NEWS VIEWS FACES 映画「マリア」はなぜ1月にも公開されるのか?
その理由は?

映画『マリア』
礒川道夫
ライフ・エンターテイメント チーフプロデューサー

 もう映画「マリア」はご覧になっただろうか。一部の地域では2008年1月に公開される。そのことをクリスチャンに話すと、「なぜ、クリスマスに公開しないのか」と質問された。こういった大型映画ではない場合、映画館の営業的な意味から、もっと人気のある映画が優先されてしまうので仕方がない。

 しかし、配給しているエイベックス・エンタテインメントの担当者は、「この映画は、クリスマスに観てもらうのが最もふさわしいかもしれないが、マリアとヨセフの夫婦愛は、季節に影響されない普遍的なもので、いつでも観てもらいたい」と語っていた。

 そうなのである。この映画は、マリアとヨセフの夫婦のあり方を本当によく描いている。自分が知らない間に妊娠して、それが聖霊によるものだと、まず自分が信じられるだろうか。また自分の婚約者がやって来て、妊娠したと言われたら、あなたはどのような行動に出るだろうか。当時は石打ちの刑に処するほどの重い罪なのだから。そして御使いが語ったことをどう証明するのか。マリアとヨセフは、その葛藤の中で、互いを信じ、そして支え合っていく。ベツレヘムへの困難な旅。泊まるところを懸命に探すヨセフの姿。バチカンでのワールドプレミアでは、イエスの誕生シーンに何千人もの観客が歓びの声を上げたそうである。そして、この赤ちゃんとあの映画「パッション」の十字架のシーンがダブり、涙を流す観客も多い。


 12月25日を過ぎると、教会の飾り付けをあっという間に片付けてしまい、年末までクリスマスツリーがあったりすると、だらしなく感じてしまう日本人クリスチャン。それはこの世の商業ペースにあまりにも乗せられ過ぎているのではないか。なぜなら私たちにとっては、1年中がクリスマスなのだから、1月でも2月でも映画「マリア」を観てもらいたい。だいたいこの映画を観ていただければ12月に固執する必要はないのがわかる。

 そういえば、映画「パッション」も5月、23年前に公開された「ナザレのイエス」も8月だった。

 ちなみにこの「ナザレのイエス」のDVDの販売の権利が、この3月で切れてしまう。二度と手に入らなくなる可能性がある。この名作は、ご家庭に教会にぜひ置いてもらいたい作品だ。

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