図書案内 こんなときに『新実用聖書注解』を開いてみよう!

A子先日、友だちに新約聖書をあげたら、初めからカタカナの名前ばかりで読みにくいって言われちゃった。どうしてマタイの福音書は系図から始まるんだろう?
実注くん実はそれにも大きな意図があるんだよ。
1294頁を読んでみて。
A子なるほど! びっくり! この系図はマタイの福音書が創世記にも匹敵するほどの新しい創造を語ることを示唆しているなんて!
まさにイエス様による「新しい約束」の幕開けというわけね。
よし、友だちにも教えてあげよっと!

『新実用聖書注解』1294頁

 注 解


1. イエスの誕生と備え(1:1‐4:11)

  (1) イエスの誕生と幼児期の出来事(1:1‐2:23)

 四福音書のうち,マタイとルカはイエスの誕生と幼児期の出来事を記す.内容は異なるが,誕生を聖霊による奇蹟的なものとする基本的な点で,両者は一致している.
  a.系図(1:1‐17)
 原文で最初の言葉〈ギ〉ビブロス・ゲネセオース〈系図〉は70人訳の創2:4,5:1にあり,「創造の経緯,記録」を意味する.〈ギ〉ゲネセオースの主格ゲネシスは,創世記の表題である.従って〈アブラハムの子孫,ダビデの子孫,イエス・キリストの系図〉(1)は,系図ばかりでなく本書全体の表題であり,本書が創世記に対応し,天地の創造に匹敵する新しい創造を語ることを示唆している.
 イエスはユダヤ民族の1人として誕生した.マタイは系図を〈14代〉(17)のグループ3つにまとめ,イスラエルの歴史が神の支配下にあることを示す.ダビデによる王権の成立とバビロン捕囚による王権の喪失は,歴史の転換点,イエスの誕生は歴史のゴールである.……

『新実用聖書注解』