信仰の良書を読もう! 信仰の良書を読もう!(4)
宮本義治
単立・六原キリスト教会牧師
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戦後、凶悪な殺人犯として、死刑確定囚となっていた久米武夫兄が、獄中でこの本を読んで、全く新しく生まれ変わりました。そして熱心に同囚の人たちを信仰に導きました。
やがて死刑執行の直前に、それまで手紙によって信仰を指導していた沢村先生が、知らせを受けて面会に行くと、にこにこと笑顔で近より、「先生、ひと足先にイエスさまのところに帰ります」と言って抱きついてきました。死刑も迫る最後の二時間、彼は一生懸命になって、救われてからの信仰の恵みの数々を書き残し、沢村先生に託して、絞首台に登って行ったということです。
私は、しばらく絶版になっていた本書を、再版するために原稿に整理しながら、手元にあずかっている沢村先生への久米兄の手紙を広げて読みました。久米兄がこの本を手にした時の喜び、そして同囚の者がこの本を無理に久米兄から借りて、一心になって書き写している姿──。目に浮かぶようでした。(中略)また、本書の書名を、「キリスト教案内」を変えて、新しく「救いは今です」といたしました。それは「確かに、今は恵みの時、今は救いの日です」(2コリント六・二)というみことばに最もふさわしいと思ったからであります。
以上の文は、当時、この本の編集を担当した宮本義治牧師の「あとがき」です。