CD Review ◆ CD評 『My Dear
―あなたに―』

My Dear ―あなたに―
安井 治武
有限会社 MAG(エム・エー・ジー) プロデューサー

森 祐理デビュー十周年記念アルバム、必聴の一枚

 初めて森祐理さんにお会いしたのは今から四年ほど前と記憶しています。私の勤務する「MAG(エム・エー・ジー)」 が森さんの音響を担当したときでした。それまで一般のポップス・シンガーのマネージメントをしていた私は、何人ものクリスチャン・ミュージシャンと会いましたが、自分のスタイルを持っている方はなかなかいなかったように思います。その点、彼女はクリスチャン・シンガーとしての姿勢が素晴しいと感じます。どんなとき、どんな場所でも「ユリ・スマイル」を忘れず、語りかけるように「ジーザス・メッセージ」を伝えていくという自分の世界を持っています。彼女の歌はノンクリスチャン、クリスチャンを問わず、聴く者に生きる勇気と励ましを与えてくれるのではないでしょうか。

 コンサート以外にも、執筆活動『モリユリの手話賛美』(いのちのことば社より発売中)、アニメーションの声優、テレビCMへの出演など、多くの分野で意欲的に取り組んでいます。

 そんな彼女がデビュー十周年記念アルバム「My Dear ―あなたに―」をリリースしました。ブラームスの「ベツレヘムの子守歌」、ベートーベンの歓喜の歌「喜びたたえよ」、ハリー・ベラフォンテが歌い、世界中で大ヒットした「ダニーボーイ」としても有名な「この世のなみかぜさわぎ」、ハワイアンの「アロハ・オエ」としても知られている「主イエスの愛のもとへ」など全十一曲を収録。音楽ファンなら誰しも、一度は耳にしたことのあるおなじみのナンバーが、ガットギター、ストリングス、ハープ、フルートなどの織り成すアコースティックで心地よい賛美に仕上がっています。冒頭を飾る「あさかぜしずかにふきて」はハープのイントロで始まり、さわやかで心地よく、一曲目からその世界に引き込まれていくことでしょう。巷ではヒーリング・ミュージックがもてはやされていますが、なれ親しんだ名曲と彼女の心地よい歌声、単純なヒーリングで終わらない世界をつくりだしています。

 このアルバムはクリスチャンに必聴の一枚です。ゴスペル歌手生活十周年記念コンサートに行けなかった方はぜひこのアルバム でお楽しみ下さい。