天使のパレット 散歩
相馬 幸恵
片柳福音自由教会会員
日曜日の午後、久しぶりに主人と散歩をしました。歩き始めてすぐ、近くの神社の境内に大きな傘を広げている真っ白いタマゴダケを見つけました。思わずしゃがみこんで眺めているうちに、「この上にミニチュアのせたら、かわいいかもね」「撮ってみるか?」と、二人で話がはずみました。辺りを見回すと、そこら中にかわいいきのこが頭を出していて、なでてあげたくなりました。
しばらく行くと貸し農園があって、大きな冬瓜やひょうたんが棚からぶらさがっていました。物珍しそうに見ていたら、そこのおじさんが「ほれっ」と小さなひょうたんを切ってくれました。毎年大きな椿の実を拾う雑木林に入ると、そこはとても静かで、しっとりとした土の香りが匂ってきました。椿の実は、まだはじけていませんでしたが、きれいな小枝を数本拾いました。林を抜けると、公園用の樹木を育てている所があり、美しい落羽松(スギ科)が、葉を広げて何本もそびえ立っていました。木々の間から上を見上げると、まーるい実が鈴なりに成っていたので、思わず下を見ると、やっぱりあちこちにコロコロと落ちていました。
ほんの一時間足らずの散歩でしたが、神様が創られた小さな自然を見ているだけで気持ちがとてもリラックスしました。木の葉一枚、拾った実一つ、小枝一本、どれを見ても神様のデザインセンスってすごいなあ、と改めて感動したひとときでした。
OLの頃、友だちとヨーロッパの旅に出ました。トーマス・クックの時刻表とユーレイルパスを買って、自分たちで計画した旅でした。友人はブランドのバッグや化粧品などを買い込んでいましたが、私はおもちゃや人形などばかりに目がいき、帰り、とうとうトランクに入りきらず、ナップザックに入れて背負ってきたのでした。もちろん、おみやげやプレゼントもおもちゃがほとんどになってしまいました。