八ヶ岳のふもとから 第3回 カラフルな果物のコンポート
松村登世
ここ八ケ岳山麓でも、3月になると春の兆しが少しずつ感じられる。残雪を踏みしめて、森の中を散歩するのが楽しみになる。昨日まで何も見えなかった森の中でフキノトウや福寿草の花に出会ったり、小鳥のさえずりに耳を傾けると、ついつい「春が来た、春が来た、どこに来た~」と歌ってしまう。故郷の風景の中で歌っていた子ども時代が懐かしい。
私たちと同じように森に住むクリスチャン夫妻に食事に招かれたときのこと。デザートにイチジクのコンポートとアイスクリームが美しいガラス器に盛って出されて、私は思わず「おいしそう!」と声をあげてしまった。そういえばコンポートを長らく作っていなかったと気づき、早速リンゴやナシを煮てコンポートにした。その後もブドウやらスモモ、イチジク、イチゴと作って常備デザートとして楽しんでいる。手作りのコンポートやジャムを窓辺に置いているだけで、なぜか幸せな気分になれるから不思議。
窓辺に集まる日差しはほんのりと暖かく、すぐそこに本格的な春の足音がしているように感じるこの季節が私は大好きだ。
レシピ recipe
【洋ナシ】 ……砂糖と赤ワインを入れて30分ほど弱火で煮ます。
【イチジク】……砂糖と白ワインを入れて7~8分、弱火で煮ます。
【桃】…………砂糖とブランデーと水を入れて10分、弱火で煮ます。
【巨峰】………砂糖と赤ワインを入れて5分ほど煮てから巨峰をビンに移し、煮汁は少し煮詰めてから加えます。※アルコール(ワインなど)を入れると3か月くらいもちますが、砂糖と水のみだと、冷蔵庫で保存して10日ぐらいです。びんは必ず煮沸消毒し(電子レンジで2分加熱してもよい)、鍋はステンレスかほうろう鍋を使います。そのまま食すか、無糖のヨーグルトや生クリームを添えていただきます。
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編集者より
衝撃的な過去や傷、それが今、佐々木炎牧師の力となっていることに神の介在を感じました。『人は“命”だけでは生きられない』には、20歳のときに出会った青年とのその後も記されています。「かかわる中でいやされる」「裏切られることも大事」「一歩踏み出すと、道が見える」。心に残るインタビューでした。(永倉)
生涯、成長し続けたいという願いがあります。振り返ると、壁にぶつかり限界を感じたり、人から苦言を呈されたこと等が成長へのきっかけだった気がします。どちらもその時点では愉快とは言えないのが人生の不思議で面白いところ。最近また1つ歳をとり、ふとそんなことを考えました。(加藤)