What’s New 紫園 香 「安かれわが心よ」CD発売記念コンサート・レポート

礒川道夫
ライフ・クリエイション ディレクター

今回初めて、ライフ・クリエイション(いのちのことば社)のレーベルでフルート奏者紫園香さんのCDを制作することとなった。そして、紫園さんが語られたのは、東日本大震災以来、「Be Still, My Soul(安かれわが心よ!)」が心の中に響いており、このテーマで演奏し、ジャケットもこのイメージで、そして発売記念コンサートもこの方向で行いたいとの希望だった。収録曲は、J・シベリウスの讃美歌「安かれわが心よ」に始まり、滝廉太郎の「荒城の月」、そして今年亡くなったジョージ・ビバリー・シェーが歌った名曲「キリストにはかえらません」まで幅広い。一見、曲名からすると統一感のないように感じるが、CDを聴いていただければ、「Be Still, My Soul(安かれわが心よ!)」と神が語りかけていることに気付くはずだ。

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9月20日には、キリスト品川教会でCD発売記念コンサートが行われた。平安をお伝えすることができるのかと心配したが、会堂に集ったのべ300名の皆様のアンケートを読むと、杞憂だったとわかった。
「私の心に、色々な風が吹きました。そして最後に安らかな風が吹きました」(50代女性)/「とても安らかに聴けました」(40代女性)/「今回のコンサート、大変充実して素晴らしかったです。安かれという響きがとても心に響きました。」(65歳男性)
なにしろ、1曲目にのG・フォーレ「祈りながら」は会場の後ろから、紫園さんがフルートを吹きながら登場という演出。これには会衆もびっくりしていたが、紫園 香さんならではの個性的なコンサートを期待させるには十分であった。なんといってもピアニストの藤井一興さんとの超一流演奏家同士が作り出す音の重なり合いには、心がゆすぶられなかった人はいないはずである。アンケートにも多数、お二人の演奏に対する感想があった。「フルートとピアノが一体化して、というよりは独立した2つの楽器がお互いに自己主張しながら相手の力を引き出している感じでステキでした」(50代女性)
また、「風わたる樫の木」では、バリトン歌手の加賀清孝さんも朗読で参加するといった贅沢なサプライズもあった。
フルートの音色は多彩であること、歌詞がなくても十分に気持ちが伝わること、そしてアンコールで演奏された「You raise me up」が表しているように、どんな時にも励ましてくれるお方がおられることが、十分伝わったコンサートだった。

◆CD「安かれわが心よ」(13曲) 
   2,625円(税込) 48683

<収録曲> 1.シベリウス/安かれわが心よ『讃美歌21』532番(編曲・飯野糸穂子) 2.滝廉太郎/荒城の月によるファンタジア? 3.山田耕筰/赤とんぼによるポエム(編曲・安田芙充央) 4.フォーレ/祈りながら 5.カッチーニ/アヴェ・マリア 6.ライネッケ/バラード 7.フォスター/スワニー河 8.ロイド=ウェバー/ピエ・イエス 9.ヴィヴァルディ/フルート協奏曲「ごしきひわ」 10.土井康司/風わたる樫の木 11.シークレット・ガーデン/You raise me up 12.ヴィドール/組曲(モデラート、スケルツォ、ロマンス、フィナール) 13. シェー/キリストにはかえられません『教会福音讃美歌』465番(編曲・柳瀬佐和子)

問い合わせ : ライフ・クリエイション(いのちのことば社)
Tel.03-5341-6927 Fax.03-5341-6928
E-mail : lk@wlpm.or.jp

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