わが家の小さな食卓から
愛し合う二人のための結婚講座
第9回 子育てについて語り合う①
素晴らしき哉、家庭礼拝!
大嶋裕香
1973年東京生まれ。宣教団体でキリスト教雑誌の編集、校正を手がける。99年にキリスト者学生会(KGK)主事の夫と結婚後、浦和、神戸、金沢と転々としながら年間100~200名近い学生、卒業生を自宅に迎える。KGKを中心に、夫と共に結婚セミナーで奉仕。その傍ら、自宅でパン教室、料理教室を開き、子どもたちにパン作りを教えている。13歳の娘と10歳の息子の母親。
わが家の食卓でしている結婚後の学びでは、子育てについても語り合います。結婚後、子どもは与えられないかもしれませんし、与えられるのはずっと先のことかもしれません。しかし、いざ子どもが与えられ、出産、育児の怒濤の日々が始まってしまうと、夫婦でじっくり子育てについて語り合うことは難しいでしょう。結婚前に二人で子育ての方針を語り合っておくのは大切です。子育てについては、結婚前の学びの三回目で触れることもありますが、今回は特に「子育てにおいて共有したいこと」というテーマを取り上げたいと思います。
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「子育てにおいて共有しておきたいことは何ですか」と質問すると、「家庭礼拝をしたい」という声が多く上がります。皆さん、素敵な家庭礼拝を夢見て目をきらきらさせています。しかし、希望を打ち砕くようで申し訳ないのですが、家庭礼拝を続けることは、実はとてもとても難しいのです。わが家も結婚してから毎晩夫婦で、子どもが生まれてからは家族全員で家庭礼拝をしてきました。夫婦二人のときは寝る前に聖書を一緒に読み、その日の「うれしかったこと、悲しかったこと(愛されことば、悲しみことば)」を三つずつ分かち合ってお祈りしていました。
しかし、子どもが生まれると、続けるのが難しくなってきました。夫も仕事で留守がちでしたし、私も慣れない育児でくたくた。途切れがちになっても、それでもやはり家庭礼拝は続けていきたい……。
そんな折に夫婦で参加した結婚セミナーにおいて、講師からよいアドバイスをいただきました。
「この日本において、仕事で帰りが遅かったり、留守がちであったりする夫が、家庭礼拝をリードするのは難しい。夫は、『家庭礼拝は妻に任せた』というリーダーシップをとればいいのです」
なるほど、すばらしい知恵です。このことばを聞いた夫は、肩の荷が下りてかなりほっとしたとか。早速、私が家庭礼拝をリードすることにしました。すると、続いたのです! スタイルは何度か変わりましたが、続ける秘訣は「シンプルに」「時間は短く」です。気合いの入ったたいそうなプログラムにしてしまうと、続けるのは大変です。また、夫が不在のときも必ずするようにしました。その場合は、「お父さんのお仕事のために」皆でお祈りします。年間三分の一は泊まりの仕事で家にいない父親の存在を際立たせるよう、心がけました。
わが家では子どもたちがまだことばが話せないときから家族一緒に座って、参加するようにしました。ことばが話せるようになったら、「今日うれしかったこと、お祈りしてほしいこと」を発表し、一人ずつお祈りしました。子どもの成長に合わせて、振りつきの賛美をしたり(夫も一緒に踊りました)、暗唱聖句をしたり、子ども向けの聖書やデボーションガイドを開き、読み聞かせました。字が読めるようになったら、子ども向け聖書やガイドのその日の分を子どもたちが順番に読みました。そのうち司会も息子や娘にお願いしました。とにかく家族全員参加型のプログラムで、時間は十分以内です。場所は布団の上だったり、リビングだったり、食卓だったり。
なんといっても、わが家の家庭礼拝の最大の恵みは、家に来るお客様にも参加していただくことです。お客様に突然「暗唱聖句をしてください」と話すと、びっくりされて言えないこともあり、一方で得意げに暗唱する子どもたちの満足そうな顔といったら! お客様には救いの証しをしていただいたり、子どもたちの信仰上の質問に答えていただいたり、実に信仰継承の場だったと思います。現在は毎日ではなく、週一回になりました。子どもたちも大きくなり、家にいる時間帯も変わってきました。
各自がデボーションをすることにし、週一回の家庭礼拝は日曜日に行い、礼拝のみことばを分かち合っています。子どもたちがみことばから教えられる姿勢、幼い頃から祈ってきたその祈りに、私自身日々支えられてきました。
毎日ではなくても週一回でも月一回でも、家庭礼拝を続ける恵みは量り知れません。みことばと祈りを家族全員で共有すること、家族の祈祷課題に関心を払うこと、お客様にも参加していただき、交わりの豊かさを経験すること。それが習慣化するなんて、最高です。
それぞれの家庭のスタイルで、途切れても何度でもやり直せばいいのです。素晴らしき哉、家庭礼拝!