特集 真のリーダーシップとは 神の声を聴き、御旨を知り、ビジョンを受ける
『世の中心に立つ
霊性リーダーシップ』
ジン・ジェヒョク 著
松田悦子 訳
四六判 304頁 定価1,600円+税
神の声を聴き、御旨を知り、ビジョンを受ける
インターナショナルVIPクラブ 創設者 代表役員 市村和夫
1 ビジョンの人
「幻のない民は滅びる」(箴言29・18、英欽定訳)とは、ビジョンのない組織、団体、企業、国家は滅びるということです。リーダーは、まず、神の声を聴き、神の御旨を知り、神のビジョンを受けることから始まります。祈りを通して、聖書のみことばの約束が与えられます。その約束のみことばから、自分のミッション(使命)が示され、目標設定に導かれます。
「インターナショナルVIPクラブ*」を始めるときに、祈りを通して神から与えられたビジョンを、信仰によって受け止め、創世記12章からのみことばの約束が与えられ、自らのミッションが明確となり、信仰によって、一歩を踏み出しました。そして、宣教の目標が設定され、協力者も与えられ、活動が始まりました。現在は、そのビジョンを掲げ、ミッションを共通の使命として、聖霊の導きのうちに、一歩一歩目標に向かって前進しています。
このように、企業、団体、国家においても、リーダーは、明確なビジョンを示し、進むべき方向性を提示していくことが重要です。自己中心的、自己実現的な野心であってはなりません。それは、神からのビジョンであり、神のミッションであり、リーダーは、神の栄光を表す目標を設定すべきです。
2 賜物・才能を生かす人
マタイ25章14節にある「タラントのたとえ話」のように、与えられたタラントを用いることが大切です。与えられたタラントを用いない人は、持っているものまで取り上げられてしまいます。リーダーは、自分に与えられた賜物・才能が何であるかをよく知り、それを百パーセント発揮して、それを自分のために用いるのではなく、他の人のために用いるとき、神は「あなたは、わずかな物に忠実だったから、私はあなたにたくさんの物を任せよう。」(マタイ25・21)と言われ、さらに多くのタラントと、責任が与えられ、祝福が増し加えられます。
企業、団体など、組織のリーダーは、自分に与えられた能力をフルに発揮し、また、同時に、部下の能力を引き出し、その能力を生かし活用できるように、適材適所に人材を配置し、部下を助け、励まし、動機づけ、チームワークを保ちつつ、最大限の結果を出すように指導することが期待されています。部下が成功したときには、褒め、失敗したときも、支え励まし、部下の成功をともに喜ぶことがリーダーの役割です。
3 品性の実を結ぶ人
出エジプト記18章21節で、「有能な人で、神を恐れ、誠実で、不義の利を憎む人を選びなさい」(口語訳)とあるように、リーダーは有能な人であることが大切ですが、同時に、神を恐れ、誠実で、不義の利を憎む人が求められています。これは、聖霊に満たされた人と言うことができます。また、使徒の働き6章3節では「御霊と知恵とに満ちた、評判のよい人たち七人を選びなさい」とあり、信仰と聖霊に満ちた人ステパノが選ばれました。
イエスは、「一番偉い人は一番年の若い者のようになりなさい。また、治める人は仕える人のようでありなさい」(ルカ22・26)と言われ、また、ペテロの足を洗われた後で、イエスは、「主であり師であるこのわたしが、あなたがたの足を洗ったのですから、あなたがたもまた互いに足を洗い合うべきです」(ヨハネ13・14)と、サーバントリーダーとして、謙遜に徹することを教えられました。
このように、リーダーは、謙遜、愛、誠実、清さなど、品性の分野で模範となる人でなければなりません。そして、リーダーには、「あのような人になりたい」と思われるような生き方、仕事の仕方が求められています。
この度、韓国にある地球村教会主任牧師のジン・ジェヒョク師の著書『世の中心に立つ霊性リーダーシップ』の日本語訳が発売されました。日本のビジネスパーソンや、教会の牧師、信徒リーダーなどにとっても必読の霊性リーダーシップ論として推薦します。
*聖書を土台としたビジネスマン・専門職の会員制クラブ。