348 時代を見る眼 信仰継承と宗教2世〔3〕信仰継承に必要な3つのこと
日本メノナイトブレザレン教団
石橋キリスト教会 牧師
船橋誠
「宗教2世」についての問題が報道されるようになって心痛む思いがする一方で、教会や家庭での健全な信仰継承のあり方について、キリスト者としてあらためて考えるようになりました。
前号で触れましたが、私は「4/14(フォー・フォーティーン)ムーブメント」(子ども伝道)による働きを数年前から関西で信仰の仲間と始め、研修会を行っています。そこで、さまざまな講師をお招きして、次世代宣教についてたくさん教えていただきました。
その中で、信仰継承には次の点に留意することが必要であることがわかってきました。それは①祈り、②時間、③協力の3つです。これらのことは、多くの方がすでにご存じのことだと思いますが、この機会に自らもしっかりと覚えておきたいこととして記します。
第一に、祈ることです。「……私から聞いたことを、ほかの人にも教える力のある信頼できる人たちに委ねなさい」(Ⅱテモテ2・2 )。ここには4人の人が想定されていると言われます。それは、「パウロ」「テモテ」「信頼できる人」「ほかの人」です。
つまり、4つの世代が意図されています。このみことばが示すように、自分が受けた神の贈り物を次の世代の人たちに伝えたいと願わない人はいないと思います。そのために第一にすべきであり、実践できることは、そのことを心から願い、あきらめずに神に祈り続けることです。
第二は、時間です。信仰教育は、すぐに結果が現れず、焦りや不安を感じやすいものです。しかし私たちは農夫の働きのごとく、収穫を待ち望みながら日々怠りなく労していくのです。
ひとりの魂が神に救われ、この時代にキリスト者として建て上げられていくことは容易なことではなく、歳月を要する難事業ですが、成さねばならぬ価値ある務めです。
第三に、みんなで協力することです。信仰継承で誤解しやすいことは、自分ひとりで頑張ろうと考えてしまうことです。他人任せだけもいけませんが、「思うべき限度を超えて思い上がってはいけない」のです(ローマ12・3 )。牧師に相談することはもちろんのこと、子どもや若い世代への信仰の導きのために奉仕されている方々や宣教団体に協力を求めることもできます。
また、お祈りや献金で支援することも大切なことです。一人ひとりが重荷を持ち、みんなで取り組み、ともに成長していけたらと願います。