特集 日本伝道会議を知っていますか テーマと宣言文から 伝道会議を振り返る
日本伝道会議は、一九七四年に始まり、今年九月に第七回目が岐阜で開催されます。様々な教会やキリスト教団体が集まり、日本での伝道について話し合う会議です。今まで話し合われてきたことを振り返り、これからの伝道を考える第七回日本伝道会議について紹介します。
西岡義行(日本伝道会議宣言文作成委員)
第1回 1974年 京都
「日本をキリストへ」
「聖書66巻が唯一の誤りなき神の権威あるみことば」を土台とする福音派のアイデンティティが明示され、キリストのみを「唯一の救い主」とする信仰に混乱を来たらす異端や宗教混合の立場を退ける決断が表明された。
第2回 1982年 京都
「終末と宣教」
聖書信仰を踏まえつつ、福音の中心理解がぶれることはなく、全人的救い、さらには終末論的に宇宙にまで視野を広げた。宣教の担い手は「教職を含めたすべてのキリスト者」として教会とパラチャーチの双方の協力が訴えられ、1986年の日本福音同盟(JEA)再編に寄与した。
第3回 1991年 那須塩原
「日本からアジアそして世界へ」
地方からの視点を重視して那須塩原で開催。JEAが日本を超えて国際的ネットワークを広げる中での開催であった。アジア諸国の人々に対して日本が歴史的に負っている戦争責任と向き合い、キリスト者として赦しと和解への歩みが希求される中での宣言となった。
第4回 2000年 沖縄
「21世紀の日本を担う教会の伝道
ー和解の福音を共に生きる」
戦争の世紀を回顧し、新たな世紀を展望する節目で、開催地が沖縄であることで、歴史の現実に触れた。この「沖縄宣言」は終末の希望を掲げつつ、「破れの狭間」に立つ者としての祈りで締めくくられている。
第5回 2009年 札幌
「危機の時代における宣教協力
ーもっと広く、もっと深く」
日本開国後の初期宣教師の来日から150年を迎え、教会の置かれた世界と社会の危機的現実に焦点があてられた。それは同時に教会の内側の危機とも呼応し、今まで以上に具体的な取り組み、より実践的な取り組みを意識し、多様な領域を網羅する宣言文となった。
第6回 2016年 神戸
「再生へのRe-VISION
―福音・世界・可能性」
阪神淡路大震災で被災した神戸で開催され、前回問われたことが継続して問われた。またローザンヌ伝道会議で取り入れられてきたテーブルを囲んだ対話を重視し、課題を共有し祈り、参加者が関係を構築しつつ会議がなされたことも注目に値する。