連載 ひきだしの中の信仰 第10回 神さまからの贈りもの

イラストと ことば
林 くみこ

グラフィックデザイナー。「よきおとずれ」を運び、互いに祝福し合うために用いてください、という願いをこめて、聖書のメッセージやみことばからイメージしたイラストのポストカードをゆるゆる制作中。東京・奥多摩にあるクリスチャンキャンプ場・奥多摩福音の家スタッフ。

 

今月の聖句
へブル人への手紙11章1節

 

キリスト教会に興味を持ったきっかけは、あるアメリカ人女性との出会いだった。彼女は、小児ポリオの後遺症によって人よりも弱い自身の身体を「ほかの人より時間をかけて人生を楽しめるように与えられた神さまのギフト」だと語った。その前向きさが魅力的で、そんな思考パターンを身につけたいと、彼女が毎週行っているChurch(教会)という場所へ自己啓発的に通い始めたのだ。もちろん、神さまや救いに興味はなく、それが自分に必要だとも考えていなかったけれど。
それなのに、すべてをもらっていたことに気がついた。暗がりに飛び込む一瞬の覚悟のように考えていた“信仰とは”点というよりは線で、神さまからの贈りものを一つひとつ受け取りながら歩く道だった。期待をして箱を開けたのに、出てきたものにがっかりしたり、もらいたくないものだったこ
ともある。それでもやっぱり“信仰とは”贈りものを見つけるような、わくわくする道のりだと思う。
先日、牧師画家の早矢仕宗伯先生が、絵具を滲ませてできた色面にモチーフを見出し、筆を加えていく自身の作品について「これがわたしの物語と受け入れて、そこに見えてくる景色を見つけるように色を重ね、描く」という話をしておられた。わたしは作品作りも生き方も、自分の中にあるものを
アウトプットしようと模索してしまうから、そういうしなやかさに憧れる。与えられるものを受け入れて、そこに物語を見出す日々を「神さまのギフト」として楽しむ人になりたい。