編集者より 38200

 先日、フォト・ジャーナリストの広河隆一氏の講演を聞く機会があった。広河氏はレバノン戦争とパレスチナ人キャンプの虐殺事件の記録や、チェルノブイリとスリースマイル島原発事故の報告など、数々の賞を受賞している。人が行きたがらない危険な場所に赴き、世界の悲惨な現場を写してきた。彼は、「起こったことを伝えるだけではなく、何かが起こる前に伝えなくてはならないこともある」という。世界には、「知りたくないこと」がたくさんある。日本が支援している財源で爆弾が投下され、子どもたちが死んでいることなど知らなければ悩み苦しむこともない。知る努力と、それを伝える努力をしなければならないと思わされた。(梶)