編集者より 38261

 中国・上海を訪問した人から興味深い話を聞いた。街を歩いていると、最近できた民間経営の書店があった。そこをのぞくと、中国語のタイトルで『末世迷跡』と印刷された『レフトビハインド』が置いてあったという。中国の書店では、聖書を販売することが許されていない。政府の管理下にある三自愛国教会でしか購入できない現状がある。『レフトビハインド』はSF小説として出版され、また、三浦綾子の『氷点』、子育て論としてジェームス・ドブソンの書籍、また古典として『天路歴程』などもあった。聖書が届かないところに届く本がある。一冊の本の持つ可能性はどこまでも広がっていくのだろう。(梶)