年老いて、幼子に返ってしまった母。その母への愛しさ、切なさ、いらだちを、著者は胸を打つ率直さで詩に変える。時には疲れはてて、自分が少しずつ壊れていくようにさえ感じる中で、著者を支える信仰は、孤独や悲しみをも人生の味わいへと昇華していく。祈りにも似た詩集。