「べてるの家」から吹く風

向谷地生良

「いのちのことば」で好評連載していました「弱く、遠く、小さき群れより」がパワーアップして単行本になりました!

現代社会の上昇気流に乗れなかった人たちが「安心して絶望できる」場所、それが北海道日高地方にある社会福祉法人「浦河べてるの家」だ。そこには精神障害を体験した当事者とその家族、医師、ソーシャルワーカー、地域の人々によって繰り広げられる様々なドラマがある。「べてるの家」の理事で、創設当初から関わってきた型破りなソーシャルワーカーが語るエピソード集。

「もっとも愛しにくいものを『にもかかわらず』愛することから回復ははじまる……。」精神障害をかかえる当事者とともに苦労を重ねてきた「相談するソーシャルワーカー」向谷地生良が語る「べてるの家」の笑いと涙のエピソード集。向谷地 生良(むかいやち いくよし)
青森県出身。1978年、浦河赤十字病院にソーシャルワーカーとして赴任。翌年から教会で始めた精神障害を体験した当事者との共同生活が、現在の「べてるの家」につながる。
現在、北海道医療大学 看護福祉学部助教授、浦河日赤病院 ソーシャルワーカー、「べてるの家」の理事、と三足のワラジを履いて活躍中。【目次】
弱く、遠く、小さき群れより
悩む教会
「アル中になってもいいよ」
「あきらめる」ということ
出動!爆発救援隊
贈ることば
終わらない旅
自分自身で、共に!
仲間の力
心を開く〔ほか〕

    【読者の声】安心して絶望できる生き方に、勇気を与えられた。(40代 プレス工 大阪府)福祉の現場で働くものとしても、大きな衝撃です。おかしくて、せつなくて、楽しくて、ちょっぴりくどい!読んでいるいるうちに、自分もそこにいるような錯覚にとらわれました。 (KH 福祉相談員)思わず拍手して心から応援したくなるドラマが、この本には溢れています。1ページ目からたちまち引き付けられて、一気に読んでしまいました。全編にただよう明るさは、キリストを信じる信仰から来ているのだと思います。 (NY 48歳 治療院経営)「べてるの家」の存在はよく知らなかったので、「目からウロコ」でした。親せきに精神障害をもつ人がいます。いつかその本人と「べてるの家」について話してみようと思いました (M.S 33歳 非常勤講師)「関りあうこと」「助け合ってゆくこと」の大切さが本当によく分かります。ベテルの歩みの源は、人の弱さの中に降りて共に生きる、主イエスの姿。やさしく、力強く、ときにおかしく…。 (50歳 男性 団体職員)愛する事、信じる事を、実践の中で紹介してくださっている本著は、信仰の話はほとんど書かれていないにも関わらず、至るところで聖句が思い起こされました。 (Y.U 45歳 女性 事務)「安心して爆発」「順調な苦労」など、心をほっとさせる言葉の数々。本当に栄光が神に帰されているさわやかさ。心が重くなったとき、読み返して、安心感をいただく本です。 (48歳 女性 パソコンインストラクター)いわゆる机上の学問でできた本ではなく、まさに生きた本。本を読んでいて感情が高ぶり、まるで私がそこにいるかのように感じたのは久しぶりです。 (男性 東京都在住)他の人の何倍も高いハードルがあるとしても病気を抱えながらも自分のペースで地域で生活し、働く姿を精神障害を持つ私からも、あたたかく見守ってほしいと思いました。  (SH 33歳 女性 無職)「べてるの家」のメンバーが生きてる様子がよく分かる。まだ会ったことのない人たちなのに、友達のような気持ちになってくる。 (S 43歳 教員)べてるから吹く風がどこまでもさわやかなのは「人生もう笑うしかない」というところまで追い詰められて、脱力しつつも本当に笑っているからだ。 (MS 女性 37歳 翻訳者)

発行日:2006年03月22日
ページ数:192
判型:B6判
発行:いのちのことば社
ISBN:978-4-264-02436-1
商品番号:9640
定価:1,430円(税込)

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