私たちの教会は滋賀県守山市金森町にあります。このトラクト配布の働きに取り組もうと思ったきっかけは、2018年11月に北海道札幌市で開かれたアジアンアクセス・ジャパン主催のセミナーです。その中で、「教会未設置地域へのアプローチ、教会を生み出していく」という課題があり、日本各地からの参加者一人一人が、それぞれの地域で、教会未設置地域を挙げて祈りました。それぞれに「やるっきゃない！」という思いに燃やされました。
　私たちは以前から気になっていた同県蒲生郡日野町に焦点を当てました。なぜなら、そこから求道者や信者の家族が、守山市金森町にある私たちの教会の行事に、車で1時間弱ほどもかかる距離を来ていたからです。
　日野町は、近江商人ゆかりの地、キリシタン大名蒲生氏郷の出身地であるなど、古い歴史があり、お住まいの方々は誇りを高くおもちで、また、礼儀正しい方々に出会えました。昔からの商店や住宅に、新興住宅地が少しと、アパートや賃貸マンションが混在しています。しかし近江平野の奥地に位置し、今では生活が不便で、若い人たちは街に出て高齢化が進む地域なのです。
　目標は教会の設置ですが、その足掛かりは、まずは日野町の端々までトラクト（福音）が届き、祈りの地盤ができることです。私たちの教会は微弱な教会で、牧師が声を上げても、実際に動けるのは牧師夫婦のみですが、とりあえず始めました。
　今年の４月から９月の間、月に1度、合計５回で3千204戸にポスティングを行いました。8月、9月は朝から気温が高く、早朝４時半に教会を車で出発し、５時半から10時半頃までポスティングを行いました。この酷暑の期間中に、宣教協力で香港から1人の姉妹がやって来て、後半の２回は３人で配布しました。この姉妹は宣教に熱心で、よく歩き、私たち夫婦を後押ししてくれました。
　配布中、来た道を引き返していた時、日陰で石に座ってじっくりとトラクトを読んでいらっしゃるおばあさんに出会いました。「読んでいただいて、ありがとうございます」と声をかけると、「この人（日野原重明さん）知ってるわ。ゆっくり読ませてもらうわ」と答えてくださいました。今回配布したトラクトの日野原重明さんと星野富弘さんは、知名度も高く、受け取ってもらいやすかったです。
　現在はまだ応答がありませんので、祈りの課題としています。2020年も日野町のさらなる過疎地域の3千戸弱を覚え、祈りつつ、楽しみつつ、一枚一枚を大切に配布させていただく予定です。