◆海外からの文書伝道レポートを紹介します。

孤児と視覚障害をもつ人たちのために

ここ数十年の間に、リベリアではHIV／AIDS（エイズ）や内戦、エボラ出血熱などの災禍に見舞われてきました。現在は、新型コロナウイルスによるパンデミックに直面しています。これらに起因して、貧困下にある多くの人々や障害をもつ人、孤児たちが、社会から取り残されるようになりました。特に孤児たちは、人身売買、犯罪への勧誘、児童労働の強制、性的暴行などの被害に遭いやすい状況にさらされています。

リベリアでは、オカルトに関わると孤児になるという迷信が信じられているようです。障害をもつ人、高齢の人たち、社会から疎外されている人たちなどに対する目も同様です。

しかし幸いなことに、リベリアには、孤児たちのために個人的な犠牲を払って孤児院を開設し、運営しているクリスチャンたちがいます。ほかにも、視覚障害者のために支援団体を組織し、切迫した必要への支援やコミュニティーを提供しているクリスチャンもいます。

EHCリベリアも、このような「最も小さい人たち」のために存在しています。ディレクターのジョネル・ウィークス宣教師は、4つの孤児院と3つの視覚障害者協会で伝道アウトリーチのイベントを企画しました。それは施設の関係者だけではなく、周辺の地域に住む家庭も視野に入れたアウトリーチでした。

イベントの当日、予期せぬ客の来訪に、孤児院の子どもたちや視覚障害者協会の家族たちが集まりました。最初はみな、物珍しがるだけでしたが、訪れた開拓宣教者たちが持参したプレゼントを車から降ろすのを見ると、喜びのあまり手拍子をしたり、歓迎の歌を歌ったりしました。

人道的支援が宣教の懸け橋に

EHCのチームは、各イベント会場で、米や食用油、石鹸、漂白剤、マスク、手袋をはじめ、病気やウイルスの予防に関する情報、そしてイエスの福音の希望を届けました。目の見えない人も、福音文書を受け取りました。家族が声を出して読めば、書かれたメッセージについて知ることができるからです。このミニストリーによって、何百人もの孤児や視覚障害者の家族に、神の愛を届けることができました。

　「今日一日、子どもたちに食べさせることができるのかと心配していましたが、神は私たちを驚かせ、EHCを通して備えてくださいました。感謝の気持ちでいっぱいです！」―訪問した施設の1つ、イーヤ孤児院を運営するイサタ・モモ夫人は、そう語ってくれました。

EHCのチームは、社会から見過ごされがちなコミュニティーに必要な物資を提供しただけでなく、施設周辺にある家庭の一軒一軒に、福音を届けました。アウトリーチの活動が終わる頃には、15,000以上の家庭に福音を届けることができたのです。

この困難な時期に、クリスチャンの団体がこうして実践的に神の愛を届けたことに、多くの人が驚きました。その後、EHCチームの元へは、電話や電子メールで多くの証しが届きました。

ジョネル宣教師は次のように語っています。「恵まれない人や弱い立場に置かれている人への思いやり―それをかたちにした人道的な贈り物を懸け橋にして、今回訪ねた施設や各家庭に福音を届けることができました」

このアウトリーチを行ったことで、新たなパートナーシップも与えられました。クリスチャン視覚障害者協会が運営する全国情報センターの会長であるビヤン・コティ氏が、視覚障害者のために、EHCの福音文書を点字に書き起こすと約束してくれたのです。EHCチームは、文字が印刷された文書では福音を直接伝えることができなかった人々へ、新たなアプローチの機会を得たのです。

ここに掲載した写真はすばらしいものです。しかし、この写真だけでは伝えきれない変化が、今回のアウトリーチによってもたらされました。写真の中の子どもたちや家族は、頻繁に「自分たちは社会からの疎外されている」と感じながら生きてきました。しかし、ジョネル宣教師率いるEHCチームからは、異なるメッセージを受け取ったのです。ジョネルは孤児たちが学ぶ教室で、こう伝えました。
　「あなたたちは、私たちにとって特別な存在です。イエスが十字架にかかるほど、あなたたちは特別なのです」

（国際EHCホームページより）