オアシス古書部の働きを紹介します

眠っていた蔵書・古書がリサイクルで甦る!

オアシス古書部の仕事

 オアシス古書部は2018年10月に始まりました。早いもので、まもなく2年を迎えます。

 オアシス古書部という部署名ですが、実際は独立した部ではなく、営業部の中の一部門で、営業部みなの知恵と力と協力を得て運営をしています。

 業務内容は、まずお客様から古書を無料で引き取るか、有料で買取りをします。基本的には宅配業者を手配して、その方のご自宅まで集荷に伺います。

 次に集めた書籍を1冊1冊査定します。本の状態、ヤケやイタミ、書き込みや線引き等を見て買取り値段をつけます。

 査定額を出したら、次にお客様に連絡をし、了承を頂ければ、ご指定口座に振り込みでお支払いします。

 その後、本のコンディションを状態票に記入し、販売価格を値付けします。物によっては他のサイトを参考に相場を調べることもあります。そして古書部のサイトに登録して完了です。

 おかげさまで新規利用者もリピートしてくださるヘビーユーザーも増えてきています。

 最近の傾向としては、以前は引取りと買取りの申し込みは半々くらいでしたが、今年の3月以降、買取り希望者の割合が増えています。信徒の方々の高齢化もあって、コロナ自粛で自宅にいる機会に蔵書を整理したり処分したりする方が増えているのだと思います。持ち主が召されて、ご遺族の方からのご依頼もあります。教会の閉鎖というケースもありました。

 いずれにしてもみなさんの共通の思いは、「捨てるのはもったいない」「古いけれど良書なので、処分は忍びない」「誰かの役に立てたらうれしい」「一般の古書店だと買い取ってくれない」というような声をよく伺います。私たちは「誠実買取り」を目指していますし、処分に困っておられるお客様にも喜んでいただいています。

 買取り・引取りの結果、現在サイト内の商品数は常時数千冊になり、かなり充実してきました。日常的に補充しているのですが、うれしいことに気づくとあっという間に減っているのです。販売価格もいたずらにプレミア感を出して高額にするのではなく、「買っていただける価格」を心がけています。ですから一部サイトで時には何万円もするような高額書籍が、お手頃な価格で入手できることもあります。

 またオアシス、ライフセンター各店でも古書コーナーを設けています。サイト内とはまた違う、手に取っていただきやすい比較的安価でお得な古書販売を展開しています。お客様の評判も上々です。

 さらに全国の教会を巡回しているゴスペルボックスや営業部の車などにも古書を積んで、お客様と古書との一期一会の出合いの機会を提供しています。

 私たちのモットーは「地球にやさしい、教会にやさしい、あなたにやさしいオアシス古書部」です。古書をリサイクルすることは、単に地球環境にやさしい「エコ」だけでなく、霊的資源(信仰)の継承にもなります。この2年間は個人客向けの買取り・引取り、販売が中心でした。そういう意味で「地球にやさしい」「あなたにやさしい」を実行してきました。これからはさらに「教会にやさしい」にも目を向けて広げていきたいと思っています。

古書取り扱いの原点

 実は、私が古書の取り扱いを考えた原点は教会にありました。それは以前、教会に訪問営業する営業マンだった頃、訪問先の教会でたびたび「教会図書」の書棚を目にしました。信徒に信仰書を貸し出すために教会図書が設けられていると思うのですが、その多くは古い本がギッシリで、あまり活用されていないのが実情のようでした。

 しかし、教会図書の多くは信徒の寄贈や献金によって購入したものですから、むやみに処分することもできません。また、書棚がすでにいっぱいならば、新刊をお薦めしても入る余地がありません。もし、この古くなった図書を下取りしたら無駄にもならないし、棚が空いて新しい興味深い本が入れられたら、信徒のみなさんは読みたくなるのでは? と考えたのです。

 ですから今後、古書部では教会図書を下取りして活性化する「教会図書リフレッシュキャンペーン」(本誌「種まき」7月号で紹介)を進め、「教会にもやさしい古書部」を具体化していきたいと思っています。

 古書は基本的には1点ものです。書名が同じでも値段や状態が違います。その本と出合った時に手に入れなければ、次に見た時にはないかもしれません。逆にお客様が品切れで欲しいと探していた本が、ちょうど、その日に引き取った箱から出てくるなどということもあります。それが古書のダイナミックな魅力です。

 これまでいのちのことば社は製作・流通・販売までを一貫して自社で行ってきました。そこに今度は、古書のリサイクルという新しい分野が加わったことになります。私たち古書部は、「買取り・引取り」というお客様との新しい関係を大切にしながら、この働きを進めさせていただきたいと願っています。

(オアシス古書部 飛田雅史)