恵みシャレー軽井沢が10月末で営業終了

半世紀にわたる歩みを心に刻みながら

 恵みシャレー軽井沢は2020年10月末でこれまでのスタイル、規模での営業を終了いたしました。

 営業終了日の10月31日には、今までの感謝と今後の導きを祈りつつ、礼拝をささげました。礼拝には軽井沢地区の教会、TEAM(The Evangelical Alliance Mission)、日本クリスチャンキャンプ協議会、軽井沢地区のキャンプ場、そして、恵みシャレーで以前働いていたスタッフなどが出席しました。その中で、この施設に関わりの深い宣教師、恵みシャレーの元スタッフから思い出が語られました。また、日本同盟基督教団軽井沢キリスト教会の茂木幸雄師からメッセージが語られ、長年この施設に関わってこられた軽井沢中央教会の中田秀雄師の祝祷で、この働きに一つの区切りをつけました。今後は、土地の一部を売却し、残りの土地で、キリスト教宿泊研修施設の働きを継続したいと願っています。いつから、どのようにということは、今後、神様がどのように導いてくださるか祈りつつ求めていきます。

 本施設は、長年諸教会の修養会・キャンプ、ミッションスクールのオリエンテーション・自然教室・修養会、恵みシャレー主催の聖書の学びやさまざまセミナー、また、クリスチャン家族やグループでの宿泊など、多岐にわたりたくさんの方々にご利用いただきました。

 鹿島の森と雲場池に囲まれた広大な面積をもつ、自然豊かな恵みシャレー軽井沢は、クリスチャンの方々にとって主と共に憩う場所、また、ターニングポイントとなった場所でもありました。その働きの背後には、現地のスタッフを始め、多くの方々の助けと協力、祈りがあったことを思い、心から感謝します。

 働きを終えることは残念ですが、今まで神様の導きとビジョンが与えられ、働きが継続されてきたように、今後も神様のご計画と導きの中で新たなビジョンのもと、この場所が用いられることを信じます。

◆恵みシャレーのルーツと歴史

 ここで働きを始めたアメリカ人宣教師タイガート師の最初のビジョンは中国宣教でした。しかし1949年、中国での伝道の門戸が閉ざされ、アメリカへ帰る途次、宣教師が集まっていた軽井沢を訪問。そこで日本の山間僻地にまだ福音が伝えられていないことを知り、未伝地に福音を伝える日本人伝道者を養成するため、この場所を購入して軽井沢聖書学院を設立しました。

 当時の神学生たちは、家畜を飼い、畑を耕し、自給自足の生活をしながら講義を聴き、伝道に出かけていきました。訓練を受けた学生たちはタイガート学院長の宣教師としての生き方に深く感銘を受け、それぞれがビジョンを与えられました。聖書学院の働きは22年間続けられ、1971年に閉院しました。

 その後も軽井沢クリスチャンセンター(KCC)の名でキャンプ場としての働きは継続されましたが、1977年、タイガート師の召天を機に、アメリカの理事会は土地と建物をTEAMに売却し、日本での活動を打ち切りました。タイガート師による軽井沢のバイブルカンファレンスのビジョンはTEAM宣教団に受け継がれ、新しくTEAMによって運営されることになり、ショーン、ジェンセン両宣教師がその任に当たりました。

 その後、当施設を主の働きのためにより活用しようと新しい運営方法がとられ、1987年にいのちのことば社に運営が委託されることになりました。当時のリーダーだったマクビーティがディレクターとして立てられ、軽井沢クリスチャンセンターは独立したミニストリーとして継続しながら、いのちのことば社伝道グループの一部門となりました。

 施設名もこの時、「恵みシャレー軽井沢」と改められ、施設の新築や改築が行われ、通年宿泊可能なリトリートセンターとなりました。そして、2007年にTEAMはその精神(宣教師が始めた教会と事業は、適当な時期にその国の人々の手にゆだねていく)に従い、恵みシャレー軽井沢をいのちのことば社に全面譲渡したのです。

◆寄せられた利用者の声

・小学生の頃、1度訪れました。その時見つけた大きな四つ葉のクローバーは今でも聖書に挟んであります。

・幼い頃から何度も行きました。家族の思い出がたくさん詰まっています。幸せな時間をありがとう。

・毎夏、恵みシャレーで過ごした幼児期の思い出は今も宝物です。

・幼い時からたくさんの思い出があります。夏の賛美セミナーの時には、心癒やされました。

・恵みシャレーで最後に結婚式を挙げさせていただき感謝です。

・救いの確信をもった45年前のバイブルキャンプ、子どもたちと毎年お世話になったスキーキャンプ、夏のキャンプ…ありがとうございました。この土地がまた用いられますように。

・30年ほどのおつき合いですが、ここでの思い出では子どもの成長の記録でもあります。

・ここで培われた信仰に感謝。この地でなされた宣教のわざがこれからも日本に世界に広まっていきますように。

 今まで、恵みシャレー軽井沢を大切に思い、祈り支え、ご利用くださった皆様、本当にありがとうございました。

      (いのちのことば社宣教室 相澤直実)