EHCモンゴル ―「ジョイハウス2」建築計画変更について―
EHC日本事務局より 「ジョイハウス2」建築計画変更について
「ジョイハウス」は、モンゴルの首都ウランバートルのごみ集積所で暮らす貧困下の子どもたちに向けた、無償の教育支援学校です。食事も無償で提供し、自宅が遠い子どもたちや家のない子どもたちが学校に通えるよう宿舎を併設するなど、厳しい状況に置かれた子どもたちに寄り添い、支えていくことを目的としています。モンゴルEHC総主事バーサンドゥオーリ牧師(通称バスカ)が運営しており、EHC日本はこの働きを支援しています。
現在ジョイハウスでは6歳から13歳までの教育をしていますが、バスカ氏は次の段階の高等教育(「ジョイハウス2」)が必要であるとのビジョンをもっており、本誌2021年1月号でお知らせしました。その宿舎と建築費用500万円のために、日本の祈りのメンバーの皆様にご支援をお願いしました。
建築の準備を始めたところ、新型コロナウイルスの影響による建築資材の高騰で、予定の予算では建設が困難とわかり、バスカ氏より計画の変更について提案がありました。支援してくださっている日本の祈りのメンバーの皆様にご理解いただきたく、お知らせします。
EHCモンゴル バスカ総主事より 日本の皆様へ
モンゴルとごみ集積所で暮らす子どもたちのために、継続的に祈り、ご支援くださっていることを心から感謝します。皆様のサポートにより、どれほど多くの子どもたちが、命を守られ、愛を知り、また、霊的な祝福を受けているかわかりません。モンゴルでは緊急事態宣言下で出入国ができない状態が続いており、皆様にお会いできないのが残念です。新型コロナウイルス感染拡大に伴ってモンゴルではさらに貧困状態が悪化し、特に子どもたちに影響が出てきています。ジョイハウスでは、自宅に帰ることができる子どもたちは学校と自宅を往復する日々が続いていますが、皆元気にしています。
ジョイハウス2の建設ビジョンに対し、日本の祈りのメンバーの皆様から尊い献金とお祈りを頂き、心から感謝します。建築に当たって、資材は中国から輸入する予定でしたが、現在新型コロナウイルスの影響で中国からの輸入が禁止されています。そこで、モンゴル国内で調達を試みたところ、輸入制限の影響から国内資材が昨年の2倍近くに急激に値上がりしていました。ジョイハウス2はジョイハウス1の隣接地に建設予定でしたが、この資材高騰によって500万円の予算では建築が困難になりました。
このような状況をEHC日本にも相談し、さまざまな検討を経て、新たに以下の提案をさせていただきます。皆様のご理解を頂きたいと願っています。
ジョイハウス1:郊外へ移転
現在、約40名の子どもたちがジョイハウス1を必要としており、受け入れる努力をしてきました。2018年9月に宿舎を開所して以来、日本の皆様からの献金を、毎月の必要に充てさせていただいています。
最近、モンゴル政府が貧困や危険の中にある子どもたちを保護する必要性に気づき、2022年1月より、そのような子どもたちのための施設は、手続きを経て許可が下りれば補助金の給付を受けられることになりました。ただし、町から少し離れた安全な場所に施設があることが条件の1つとされ、現在のジョイハウスⅠの立地では対象となりません。補助金を受けるには、ジョイハウス1を町より20~30㎞離れた所に移転する必要があるため、次の移転計画を立てています。
【移転計画】
- 政府の補助金の給付条件に見合う、町から少し離れた場所に建物つき土地を購入する。
- 建物つき土地購入費用:400万円(土地700㎡ 建物80~100㎡)
- 移転費用:10万円(家具類および2つのゲルをジョイハウス1から新しいセンターに移転)
- 政府への登録費用:2万円(子どものプロテクションセンターとして登録)
ジョイハウス2:ジョイハウス1の建物を改装し使用
現在ジョイハウス1として使用している建物を改装し、訓練センターとして使用します。・改装・設備費用:30万円(現在のジョイハウス1を改築して必要な道具をそろえ、訓練する先生たちと契約予定)
愛の宣教教会
教会活動と子どもたちへの救済活動のために、ジョイハウス1の敷地内にある愛の宣教教会の300名収容のゲルを隣の土地に移し、訓練センターとして併用します。
・移転費用:4万円
子どもたちへの救済活動費は月6万円の必要がありますが、現在は定期的な支援はありません。祈りつつ進めたいと願っています。
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バスカ氏のビジョンに対し、日本の皆様からたくさんのご支援を頂き、モンゴルの子どもたちのためにお祈りいただいていることを心から感謝します。
宿舎の開所以来、最終的には日本の支援に頼る仕組みではなく、彼らが自ら働きを担っていくことができるように祈ってきました。今回、モンゴル政府による補助制度を利用する道が開かれたことは、彼らの働きが自立していく大切なプロセスだと受け止めています。新型コロナウイルスの影響により、建築資材の高騰という想定外のことが起こったことで、この新たな道が開かれたことは、神様のご計画ではないかと感じています。当初の予定とは異なるかたちでの訓練センターの実現となりますが、今回の献金をジョイハウス1の移転とジョイハウス2の改装に用いることをご理解いただけたら幸いです。
ジョイハウス1と2の働きは、教育から仕事へと、子どもたちが大人になっていく未来へ、希望をつなげていくものとして大切な働きです。引き続き、モンゴルの子どもたちのために、また現地で子どもたちのために奮闘しているバスカ氏をはじめとするスタッフのためにお祈りください。モンゴルの子どもたちの笑顔を皆様が守ってくださっていることを心から感謝します。
EHC日本総主事 相澤直実