三浦綾子さんの遺したもの

4月25日で生誕100年

『氷点』『塩狩峠』『道ありき』など、数々の名作を世に送り出したクリスチャン作家・三浦綾子さん。今年2022年に生誕100年を迎えることを記念して、あらためて彼女の作品を読み直そう、味わおうという動きが広がっています。
1922年4月25日、北海道旭川に生まれた綾子さんは、女学校卒業後、尋常小学校の代用教員を7年間務めます。しかし、日本が敗戦すると、軍国教育に関わっていたことに罪悪感と絶望を感じて退職。間もなく、肺結核と脊椎カリエスを併発し、13年間にも及ぶ闘病生活を余儀なくされます。闘病中に幼なじみのクリスチャン前川正さんに再会したことからキリスト教信仰をもち、1952年に病床で受洗。前川さんの死後、彼によく似たクリスチャン三浦光世さんと出会い、1959年に結婚。1963年、朝日新聞社主催の1,000万円懸賞小説公募に『氷点』で1位入選。同作は翌1964年から新聞連載が開始されて人気を博し、1966年に単行本化されて大ベストセラーとなり、映画化・ドラマ化もされました。以後、帯状疱疹・直腸がん・パーキンソン病など、度重なる病気に苦しみながらも、プロテスタント信仰に根ざした作品を次々と発表し、多くの人に影響を与えました。晩年の作品はすべて、口述したものを夫の光世さんが筆記するという二人三脚で創作活動を続けたことでも知られています。1999年10月12日、77歳で召天。
1998年、旭川に三浦綾子記念文学館が開館。翌年には三浦夫妻の旧宅を復元した塩狩峠記念館も開館しました。記念文学館では来年3月21日まで、「三浦綾子生誕100年記念特別企画展 プリズム─ひかりと愛といのちのかがやき─」が開催されています。

三浦綾子記念文学館
〒070-8007 北海道旭川市神楽7条8丁目2-15
電話 0166-69-2626 https://www.hyouten.com/
塩狩峠記念館(三浦綾子旧宅)
〒098-0125北海道上川郡和寒町字塩狩
電話 0165-32-4088
生誕100年記念ベストエッセイ集
信仰エッセイ選

平凡な日常を切り捨てずに深く大切に生きること

エッセイストとしても読者に大きな影響を与えた三浦綾子の珠玉のエッセイ29編を厳選。キリスト者として思索し、生きることの意味を問うことばが、時代を経てさらに意味深く迫る。
四六変型判184頁+カラー口絵8頁
1,650円(税込)
三浦文学を漫画で読む2冊

漫画 塩狩峠

のだますみ 作画
B6判360頁1,430円(税込)

漫画 海嶺 3吉漂流物語

勝間としを 作画
B6判200頁1,320円(税込)
不朽の名対談集

新版 銀色のあしあと

三浦綾子・星野富弘
絶望の淵から希望を見いだし、多くの作品を生み出した二人による対談。
四六変型判144頁1,320円(税込)
伝道トラクト

新版 私を変えた愛

生きることに何の喜びも持てず、いつ死んでもいいと思っていた以前と、十字架の愛を知って変えられた今の人生とを対比させながら、真実な神の愛を語る。
A5判8頁(30枚入)990円(税込)
普遍のテーマはここから生み出された

DVD「三浦綾子の足跡」

生きること、愛すること、信じること―三浦綾子文学に込められた思いを紐解く三浦夫妻の歩みと執筆の日々、講演会の貴重な映像。
カラー112分2,090円(税込)

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三浦綾子さんの生誕100年を記念して、過去に映画化された不朽の名作である「塩狩峠」(1973年公開)、「海嶺」(1983年公開)の2作品について、HDリマスターでBlu-ray化を行い、美麗な映像として残そうという計画が始まっています。
2作品とも、現存するオープンリールテープを最新技術で映画公開当時の画質に近づけることを目標とし、その費用をクラウドファンディングで募っています。目標額は600万円で、到達できなかった場合は全額返金されます。
プロジェクトチームは企画の目的を「三浦綾子文学、映画の魅力を改めて伝えたい」「高画質映像に仕上げることにより、広い会場や現在主流となっている大画面テレビ、視力が弱っている方々でも視聴しやすくなる」「古い名作から、現代にも通じる新しい作品へと生まれ変わり、若い方々にも知っていただくきっかけとしたい」としています。お祈りとご支援をよろしくお願いいたします。
募集ページ https://readyfor.jp/projects/shiokaritogekairei2022