1行40文字に改良された学生点字盤

前回（本誌1月号）、点字を書くためのガジェット（気の利いた小物）の、点字盤をご紹介しました。点字盤は、B5の紙１ページに、32文字×17～18行の点字を書くことができます。この私の文章を点字にすると、２ページと少し。点字って、かさばるのです。
このかさばる点字、文字を小さくすると…。１文字が指先に収まる大きさにしてありますので、小さい点字にすると、指先で読みにくくなってしまいます。漢字や平仮名をインクで紙に印刷するときには、小さな文字にすれば、１ページに多くの文字を入れられます。でも点の大きさが決まっている点字では…。
でも、そこをどうにか！　ということで、小さな点字が書ける点字盤もあるのです。B5の紙１ページに、37文字×19～20行の点字が書けるものも。でも、今はもう販売終了とか。
ということで、押し入れの奥から出してきた古い点字盤。私が献身に導かれ、神学校に行く準備をしていた時に、郷里・広島の先輩クリスチャン姉妹から頂いたものです。「田中君。これはね、学生点字盤と呼ばれていたもので、私が東京で勉強していた時に、○○先生から頂いたの。たくさん点字が書けるんだよ」と。点字盤の裏側には「1932年○○氏より」と書かれています。すごっ！
実際に、紙をセットして、点字を書いてみました。読めなくはないのですが、文字が小さくて、スラスラとは読めません。しかもこの点字盤は、改良型。普通の点字盤は、紙の左端から右端まで点字を書いても、その外側に余白ができるようになっています。でも、その余白にまで点字を書ける、１行40文字への改良版。１枚の紙に１文字でも多くの点字を書いて勉強する、盲学生用です。学生時代に信仰に導かれた先輩クリスチャン姉妹。「この点字盤でみことばを書き留めて、聖書の学びもしておられたんだろうなあ…」と、木製の点筆を握り直しました。
「わたしの律法を彼らの思いの中に置き、彼らの心にこれを書き記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる」（ヘブル8：10）