聖書には盲人の目が主イエスによって癒やされ、見えるようになった出来事が、幾つか記されています。中でもこの記事は、短くても多くの霊的示唆を与えています。
第一に、彼は誰かによってイエス様のみもとに連れてこられました。幸いにも彼は、世間の人からあわれまれ、愛されていました。たくさんの病人を癒やし、悪霊を追い出した主にお会いすれば、目が見えるようになって幸せに生きられると信じて、彼を主のみもとに連れてきた人々がいたのは、彼にとってなんと幸いだったでしょう。
第二に、主は彼の手を取り、村の外に連れ出し、二人きりになって、彼の両目につばきをつけ、その上に両手を置いて、「何か見えますか」と聞かれました（23節）。これらはすべて主の最高の愛を彼に体験させるための行為でした。24節には彼の目がどのように見えるようになっていったのかが、経験者でなければ語れないほど具体的に表されています。ここは、生まれつきの盲人の私には、とても興味深いところです。
第三に、主が再び彼の両目に両手を当てて、彼がじっと見ていると、目がすっかり治り、すべてのものがはっきり見えるようになったと、聖書は記しています（25節）。これが完全な癒やしです。
この出来事は、私たちの目が開かれて、はっきりと主が見えるようになる過程をも示しています。誰かによって主のみもとに連れていかれ、主の愛と細やかな配慮ではっきりと見えるようになり、最終的には天国で完全に主が見えるようになる。今はまだ部分的にしか見えていないので、罪・過ちを犯すこともありますが、やがて天国で主にお会いし、完全な者とされるのです（Ⅰコリント13:12）。