レバノンー新しい国への希望 EHC国際総裁 タナー・ピークより
新しい年が始まりましたが、みなさんは何か新しい決断をされたでしょうか。4年前からオイコス計画が始まっています。今年で5年目になりますが、私たちの共通のことばである「共に」(together)について考えたいと思います。
私たち一人一人は、これまでにないほど大変な中でこの4年間を過ごしてきました。教会もコミュニティーも、家族間でも、今までにない体験をしてきました。しかし「共に」ということばは、私たちはキリストにあって「共に」であること、キリストの中で一致して働くことに召されていることを表しています。
世界中でキリストの体として「共に」、そして一致して全世界の家庭に良い知らせを伝えてまいりましょう。それぞれの国やコミュニティーでは、人や文化は異なっています。そして、キリストの愛も、それぞれの文化にとって意味のある形で届けられます。ですから、それぞれの国で、それぞれの方法で働きが進められています。そしてボランティアだけでも、全世界で毎月25万人以上の方が奉仕してくださっています。
今月はレバノンの証しを紹介したいと思います。キリストの愛をレバノンの国の一人ひとりに届ける働きです。創造的に、そして献身的に、ユニークな方法で働きが進められています。それは皆様と「共に」です。今年もイエス様の良い知らせを「共に」届けましょう。
オイコスタクシーの話
この証しは一つの会話で人生が変わるストーリーです。
レバノンのタクシー会社「オイコス」のストーリーです。その会社のタクシーの上には大きな字で、「オイコスタクシー 乗るとあなたの人生が変わる」と書いてある看板が掲げてあります。タクシーに乗ると、すぐに運転手が乗客の方を向いてほほえみます。乗車料金は無料です。「なぜですか」と尋ねると、運転手は「イエス様の愛も無料です。新しい人生への一歩だからですよ」と答えます。
そして自分の話を始めます。「私は昔、過激派のイスラム教徒でした。しかしイエス様の愛に出会って人生が変わりました。あなたにもその体験をしてほしいです」と。バックミラーに見える運転手の眼は輝いていました。
現実がどんなに悲惨でも
長年にわたり、レバノンの人たちは苦しい中にありました。いつまでも続く戦争、経済的な困難、コロナの蔓延、毎日のように起こるベイルートでの爆発事件など。人口の半数の人々は毎日の生活に苦労しています。簡単な解決方法はありません。多くの人にとって大変な状況で、レバノンは再建され、新しい国になる必要があると多くの人は考えています。しかし、レバノンのEHCディレクターであるダニーさんやEHCのチームメンバーはそうは考えていません。
ダニーさんはこう語ります。「現実がどんなに悲惨な状況でも私たちには神様の恵み、イエス・キリストの贖いがあります。ですから、絶望ではないのです」と。まず、チームは教会と協力して、神様の愛を示すために人々にとって実際に必要な食料、医療用品などを提供しています。同時に孤独やトラウマの中にある子どもたちへの教育、たとえば音楽、美術、スポーツなどを提供しています。無料タクシーもその働きの一環です。特に女性には文化や宗教の影響で福音を伝えることができません。しかしタクシーなら伝道ができます。
国を変えることができる福音
「もう一度、生きていることを感じてほしいのです」とチームは語ります。同時に近隣の人たちと交わり、助けの手を差し伸べています。またEHCの事務所では100種類のカウンセリングも用意しています。すべての働きはただ一つの目的のためです。イエス様が見るように人々を見、彼らの必要を満たし、いのちを授ける方はイエス様だけという本当の希望を伝えるためです。
どんな困難や障害があってもEHCチームはレバノンを愛しています。信仰をもって物事を捉えます。すなわち、国を変えることのできる福音という希望を伝える機会としてビジョンを描いているのです。イエス様の愛により、永遠の愛、尊厳、希望を受け取るにふさわしい人々だと思っています。
レバノンでの働きは無料タクシー、食料、医療の提供だけではありません。地域のクリスチャンはカウンセリングや学びを通し、福音を伝えています。関心をもった人には弟子訓練のグループに招き、最終的に地域教会へと導きます。
私たちは「共に」この働きに加わっています。あらゆる人に、あらゆる贈り物を、あらゆる創造的なアイディアで、愛のある会話を、心から愛をこめて提供しているのです。そのためには世界中のクリスチャンの助けが必要です。
このレバノンでも光が見え始めています。それは必ずしも新しい国になるということではありません。希望をもちえなかった人が希望をもち、神様の変わらない愛に触れた人たちが起こされていくということです。