ゴスペルボックス巡回報告 2023年9月~11月
■福音車による文書伝道の始まり
1951年、戦後の荒廃した日本で、福音を伝えようとして来日した宣教師たちは、日本人の識字率の高さに着目し文書伝道を始めました。それがいのちのことば社の始まりです。彼らはリヤカーを改造し、本箱を乗せ、駅前に行き、路傍伝道をし、トラクトを配りました。また、各教会を訪問し、書籍を販売しました。これが私たちの原点の一つであり、今も受け継がれている文書伝道の方策です。
2010年、創立60周年の記念事業のひとつとして、このビジョンを受け継ぐ21世紀の移動キリスト教書店「ゴスペルボックス」の運行が始まりました。13年目を迎えたこの働きをたくさんの教会や施設で受け入れていただいています。また、たくさんの方の祈りと献金でこの働きが支えられていることに感謝します。
■巡回報告
2023年9月初旬に東京を出発したゴスペルボックスは、東海地方、近畿地方、中国地方を巡回し、10月には福岡県にお伺いしました。その後、瀬戸大橋を渡って四国へ、次にフェリーで鳴門から和歌山へ向かい、紀伊半島を訪れました。
◆2023年10月21日(土)福岡聖書教会(福岡県)
夕方に福岡聖書教会にお伺いしました。時間になると皆さん集まってくださり、本を手に取ってくださいました。子どもたちが多く、活気のある教会でした。片付けが終わると珈琲と手作りのバナナケーキをいただきました。ほっとひと息、美味しい、楽しいお交わりに感謝します。子どもたちがゴスペルボックスの出発を見送ってくれました。
◆和歌山県 2023年11月11日(土)新宮キリスト・バプテスト教会
熊野古道を抜けて新宮キリスト・バプテスト教会を訪問しました。地域教会の皆さんも集まってくださいました。先生が来られた方々に珈琲を振る舞ってくださったので、くつろぎながらお買い物を楽しめたようです。片付けもお手伝いいただき感謝いたします。
■戦後のリヤカー伝道
福嶌知恵子
戦後間もない1947年頃、鳥取県の由良に住んでいた両親が土間のある古い自宅を開放して宣教師を迎え、毎月伝道集会と礼拝をもっていました。両親は若いころ信仰を与えられ、戦前、クリスチャンのいない田舎で信仰を生きていました。当時、由良には教会がなく、倉吉から月に1回牧師に来ていただき礼拝を守っていました。共産主義国となった中国から追放された宣教師たちは日本や台湾に来ました。私の家では土曜日、英語を学びたいと地域の中高生が集まってきました。
その頃、リヤカーに聖書やトラクトを積んで巡回し、トラクトの配布をしながら、福音文書を販売していた日本人男性伝道師が家を訪ねてくださり、その人が来られると母がいつも食事でもてなしていたのを覚えています。
1950年頃レディカー宣教師、フロイド・パワーズ宣教師によってわが家で毎週礼拝が続けられるようになり、大工だった父が1960年代に教会礼拝堂を、新しく赴任してきた河口秀牧師と力を合わせ建て、アドベント・キリスト教団由良教会が設立されました。福音を恥とせず筋の通った生き方をしていた両親の生き様に私は大きな影響を受けました。