神様を中心とした三つ撚りの関係

沢田真優
MESHRASH(メシュラーシュ)

私はクリスチャンホームで生まれ育ち、小学校までは親と一緒に教会に行っていたのですが、中学生になった頃から約10年ほど教会から離れていました。私にとってキリスト教はとても身近な存在で、食事の前にはお祈り、日曜日には教会、ゴスペルや賛美歌と、その“文化”は自然と私の生活の一部となっていました。しかし、思春期真っ只中の時期、教会に行くのをやめ、周りに家族以外クリスチャンのいない環境で日々を過ごす中で、自分は何を信じているのだろうか? もし私がクリスチャンホームに生まれていなかったら教会に行っていただろうか? などと考えるようになりました。自分なりに聖書を読んだり祈ったり、個人的に神様と向き合い格闘する時間を過ごしてみて初めて、幼少期から親しんできた“文化”が私が福音に触れ信仰をもつためにとても大きな役割を果たしていたということ、また、身近にクリスチャンがいるという環境に守られ助けられていたことに気づかされました。
今振り返ると、神様は私が教会生活から離れている間も私を決して離さず、むしろ、純粋に信仰に向き合う時間を過ごすことで、その後の信仰生活をより豊かなものにし、福音を宣べ伝えて生きる器として整えてくれていたのだなと思います。
この期間を経て私の心には信仰の確信と、伝道への思いが与えられました。そして、同じように日本のクリスチャンホームで生まれ育った夫と結婚し、夫婦で一緒に神様に仕えていける宣教の方法を模索し、祈り求める中で「一人なら打ち負かされても、二人なら立ち向かえる。三つ撚りの糸は簡単には切れない」という伝道者の書4章12節のみことばが与えられました。
それまで伝道というと、ことばで伝えることばかりを考えていたのですが、
このみことばを読んだとき、「私たちがいつも忘れてはいけないのは、神様を中心とした三つ撚りの関係。私たち自身が神様の方を向いて一生懸命に生きているとき、自然とその人生から福音が語られていくのではないか。私たちがクリスチャンホームの“文化”と環境の中で信仰をもったように、私たちも周りの大切な方に、自然と福音を伝えられるような環境を作りたい」と、進むべき方向がパッとひらけたように感じました。そして、この心をいつも忘れないようにと、ヘブル語で三つ撚りという意味の「MESHRASH」という名前をつけ、ロゴを制作し、「一人ひとりが証人として生きる日本に」というVISIONのもと、2017年にみことば入りのグッズ制作・販売を中心とした働きを始めました。
最初の数年はアパレルとクリスチャンクリエイターを集めたイベントを開催することを通して、VISIONを多くの方に伝え、基盤を作るということに注力してきましたが、2023年には多くの方の協力もあり、念願の実店舗としてcafe C&Rを大阪・箕面市にオープンさせることができました。これからは徐々に物販からコミュニティづくりへと働きの中心を移行し、与えられた場所でカフェ運営やクリスチャンの集まりなどを行うことを通して、“福音が自然と語られる環境づくり(Good news in a Good vibe)”に注力していきたいと願っています。まだまだ小さな働きではありますが、神様が用意してくださっている計画に期待しつつ、これからも夫婦で、日々できることに精いっぱい取り組んでいけたらと思っています。