初めて教会に行ったら…⑤ 点字の聖書を渡す

福音点字情報センター協力委員 矢板ホーリネス教会牧師
田中敏信

私が初めて礼拝に出席した教会の受付。「点字の聖書、使いますか」と。「はい」と答え、席に案内されて座りました。礼拝が始まる15分くらい前、受付の女性が「点字の聖書です」と来られ、私の手の上に1冊置いてくださいました。「今日の礼拝のお話の聖書箇所は、ルカによる福音書です」と。ご参考までに、点字の新約聖書は最初の4つの福音書がそれぞれ1冊ずつの分冊になっています。その手渡されたルカによる福音書の表紙を開くと、点線の枠の中に「ルカによる福音書」と書かれています。
そしてその女性は、聖書の開き方をこのように教えてくださいました。「まず中ほどを開いてください」。開くと「右のページの1番上の、ページの行を見てください」と。ページの数字のほかにも何か書いてあります。「ルカ10…ですか?」「じゃあルカ15…までめくってください」「えっと…ルカ15で、3とあります」「じゃあその左のページの中ほどに、15章と書いてありますね」「はい」「そこからが、今日の礼拝説教の箇所です」と。点字の聖書をよく知っておられる! と驚きました。後でわかったのですが、点訳のボランティアもしておられる方でした。
「これが讃美歌です。今日は○番と△番だけど…。私が隣に座って、開いて渡します」と。そして礼拝の賛美の時になったら、小さな声で「右の下の方です」と。さすが点訳ボランティアの方だ! と驚きましたが、次の日曜日には別の女性が来てくださり、その次は副牧師の男性。隣に座って讃美歌を開いてくださいます。「みんな点字が読めるんだ!」と驚いていると、副牧師さん。「点字の讃美歌の番号の左に、ペンで数字が書いてあるんですよ」と種明かし。
「えっ、私の教会ではどうしよう…」と、ご心配なく。「これが点字の讃美歌です。聖書のように、ページの行に讃美歌の番号が書いてあります」と渡しておけば、どうにかなると思います。
「見よ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます」(マタイ28:20)
次回は、「いろいろな種類の点字聖書と讃美歌」です。

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決算報告 2023年7月1日〜2024年6月30日
■収入の部

献金 2,445,832
点字文書頒布収入 261,777
合計 2,707,609
■支出の部

印刷費 284,324
頒布活動費 2,022,863
事務局費 388,181
合計 2,695,368
次期繰越 12,241