まだ見ていないからこそ信じる

福音点字情報センター協力委員長
影山範文

「私たちは、この望みとともに救われたのです。目に見える望みは望みではありません。目で見ているものを、だれが望むでしょうか。私たちはまだ見ていないものを望んでいるのですから、忍耐して待ち望みます」(ローマ8:24-25)
これは今年、私に与えられたみことばです。私はこの春80歳を迎えます。近頃は捜し物が日増しに多くなってきました。さっきまで持っていた物をひょっとどこかに置くと、もう見つからない。すぐそばにあるのに、目の見えない私には、手に触れない限り見つからないのです。若い頃は強がっていた私でしたが、最近になって、目が見えないというのは苦労の多いことだとつくづく思うようになりました。先天盲に近い私でさえそうなのですから、中途失明の方々はどんなにご苦労なさっておられるだろうかと、よく考えます。
ところで、この頃のニュースを聴いていますと、戦争や暴力、飢餓、貧困など、今ほど不安定で先が見えない時代はなかったように思えます。私たちがこの先どうなっていくのかは、イエス・キリストが十字架で死んでよみがえってくださった救いのみわざに対する望みにかかっているのです。福音書を読みますと、イエス様が目の見えない人の救いを一番に挙げておられる箇所をいくつも見いだします(マタイ11:5など)。イエス様は、目の見えないことがどんなに大変であるかを、よくご存じだったことがわかります。
私たちの人生がこの世だけのものなら、目の見えない状態で生きていくのは本当につらいことです。しかし私たちには望みがあります。行く所があります。天の御国が約束されています。それがどんな所かは行ってみなければわからないとしても、望みが与えられているのは確実です。まだ見ていないけれども、見えないからこそ信じることができるのです。新しい年もこの望みをしっかり握って主に信頼して歩んでいきたいと願っています。

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会計報告 2024年7月1日~2024年9月30日
■収入の部

献金 604,543
点字文書頒布収入 63,094
合計 667,637
■支出の部

印刷費 104,973
頒布活動費 462,191
事務局費 93,666
合計 660,830
当期繰越 6,807