初めて教会に行ったら…②

福音点字情報センター協力委員矢板ホーリネス教会牧師
田中敏信

礼拝に目が見えない人を迎えた教会。「点字の聖書がないのですが…」という声は後回しにして、とにかく礼拝堂に。私が初めて郷里の教会に行ったときのことです。受付の方が「私の肩につかまってください」と案内してくれました。礼拝堂の入り口で聞かれました。「田中さん、どこに座りますか? 前の方? 後ろの方? 長椅子が十数列あります。今ならほとんど空いていますよ」「じゃあ、後ろから3分の1くらいの所に」「右? 左?」「じゃあ右で」「はい、これです」と、長椅子の背もたれの端を触らせていただきました。「自分で選べるって、いいなあ」と感じました。
ところで、目の見えない人を案内するときです。先ほどの「肩につかまってください」と声をかけてくださったのは女性。できれば同性がよいかもしれません。でも、それが無理だったら…。声で案内していただく場合、後ろから「右、左」と言われると、私ならリモコンで動くロボットになってしまった気分。それなら、3、4歩前を行って、「こちらです、右に行きます、ここです」と言われるほうが、少しはうれしいかも。最悪なのは、白杖を「こちらです」と引っ張られたとき。目の見える方がかけておられる眼鏡を、グイッと「こっち!」と引っ張られた気分かもしれません。
お願いついでに、もう1つ。礼拝式の中で、起立する場面がありますね。賛美をおささげするときとか。何十年か前に、旅行先で訪ねた教会。厳粛な空気で始まる礼拝。司会の方のことばも簡潔。すると賛美のときも…。「ご起立ください」「ご着席ください」のことばがないのです。周りの人は、立って歌っておられるような…。いや、座ったままの方もおられるような…。司会者の案内がなくても、賛美のときには立つことになっていたのでしょうか。それとも立つのも座るのも自由だったのか…。謎。
今回も私の経験や好みでした。教会では、突然来られた方でも、「これでよいでしょうか」と聞いていただくのがいちばんよいと思います。目が見えない人も、それぞれ個性や好みがありますから。
「各部分が互いのために、同じように配慮し合うためです」(Ⅰコリント12:25)

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『DNAに刻まれた神の言語――遺伝学者が神を信じる理由』


点字版 全1巻(BES版あり) 2,000円/墨字版 2,200円

フランシス・コリンズ 著/中村昇・中村佐知 訳

なぜ宇宙は存在するのか、人間の存在意義とは何か――人類の存在に関する「深遠な問い」をどう考えるのか。科学と信仰、相容れないとされる両分野から、互いの視点を知的に統合する道を探求し、「見える世界」と「見えない世界」の調和を考える。2008年に刊行された『ゲノムと聖書』の新装改訂版。

会計報告 2022年7月1日~2023年4月30日>
■収入の部

献金 1,910,202
点字文書頒布収入 281,453
合計 2,191,655
■支出の部

印刷費 367,760
頒布活動費 1,878,348
事務局費 345,244
合計 2,591,352
次期繰越 -399,697
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