旬人彩人
腹話術による被爆証言者 小谷孝子さん
プロフィール ●(こたに・たかこ)
1939年、広島県呉市生まれ。1945年8月6日、広島の原子爆弾で被爆。1968~2003年、東京都及び千葉県八千代市の幼稚園教諭として勤務。1974年に春風イチロー氏に師事して腹話術を習得(2023年初段。芸名「春風あかし」)。2003年から被爆証言を始め、2010年からは腹話術での証言活動を行っている。2015年、千葉県原爆被爆者友愛会理事に就任。2019年『あっちゃんと語る被爆体験』、2024年『あっちゃんも、』(いずれも〔株〕オフィスなかおか)を出版。
罪悪感を使命感に変えられて
六歳の時に広島の原子爆弾で被爆した経験を通し、現在は核兵器の恐ろしさ、平和の大切さを各地で語り伝えている小谷孝子さん。
それも腹話術を用いて話すという、異色の被爆証言者だ。相棒の腹話術人形は「あっちゃん」。
彼は小谷さんにとって、原爆により三歳で命を落とした弟の「分身」なのだという。「弟に、平和になった今の世界を見せてあげるつもりで語っています」と小谷さんは話す。
二十年後の未来を見据えた 新しい教育をクリスチャンの手で
STUDY SPACE 楽園代表
伊藤直之さん
日本の子どもの精神的幸福度は、先進三十八か国中三十七位と、二〇二〇年にユニセフが発表した。同年、厚生労働省は日本の十五〜三十九歳の自殺率がG7中トップと報告。同省は昨年の小中高生の自殺死亡者数が五百人を超え、過去二番目に多かったと公表した。また、一九年の内閣府「子ども・若者白書」は、子どもたちの自己肯定感の低さを指摘し、昨年、文科省発表の小中不登校児童数は、過去最多の二十九万九千人超にのぼる。二二年の内閣府調査では、十五〜六十四歳でひきこもり状態にある人は、全国で推計百四十六万人だという。この状況に一石を投じたいと、大阪府枚方市のフリースクール事業「STUDY SPACE 楽園」代表の伊藤直之さんは、新たな教育を提唱、展開している。
受け継いだ信仰とともに舞台に立つ
ミュージカル俳優
JKimさん
以前、本誌でミュージカル俳優の井上芳雄さんを取り上げた。
井上さんはクリスチャンの家に生まれたが自身と神の間には距離感があったという。
Jキムさんと共演した時「なぜ洗礼を受けないの?」と聞かれ、
また、キムさんが本番前に必ず祈ってから舞台に立つ姿を見て、
自分も洗礼を受けたいと思うようになったと話してくれた。
キムさんの本名は金志賢。
「ジーヒョン」と発音しにくいので「Jキム」と名乗ることに。
劇団四季に入り、数々の大きな舞台の主役をこなしてきた。
俳優であると同時に祖母から受け継いだ信仰を抱きながら
舞台に立つクリスチャンである。
受け入れられ愛された経験を土台に 子どもたちの可能性と愛を地元へ、世界へ
ピアニスト、ゴスペル/英会話指導、バスケットボールコーチ
ジャン・ラッカーさん
プロフィール ●日本におけるゴスペル音楽のパイオニアとして著名なラニー・ラッカー氏の息子として生まれる。幼少期から音楽に恵まれた環境の中で育ち、ラニー氏はじめ家族と共にコンサート出演やクワイア指導、ピアニストを務める。保育園や幼稚園で幼児のためのゴスペル英会話を指導。学生時代に培ったバスケットボールの経験を生かし、子ども対象のバスケクラブチームでコーチとして指導もする。
癒やされ与えられた、立ち上がる力 ここで出会う誰かのために
Cafe Amnos 店主
内田エリ奈 さん
東京都八王子市にあるCafe Amnosは、十人入れば満席の小さな喫茶店。店主・内田エリ奈さんのおいしい料理とホッとできる居心地の良さから、リピーターが多く訪れる。オープンは二〇一四年。喫茶店経営はエリ奈さんのかねてからの夢だったという。実現に向け、彼女の背を押したものとは…。