百万人の福音 聖書に学ぶ生き方マガジン

2025年11・12月号

特集

預言じゃないよ 預言の成就としてのクリスマス 私のために生まれた救い主

 イエス・キリストが生まれたことを祝う「クリスマス」。世界中で祝われ、キリスト教国家ではない日本も街中が「クリスマス」一色となる。しかし、この救い主イエス・キリストの誕生は人類に突然もたらされたわけではない。天地が創造されたその時から、旧約聖書でも、この方の誕生と人類を救う方であることが預言され、待ち望まれてきたのだ。この人類救済のための壮大な神の計画に思いを馳せつつ、今を生きる私たちの救い主でもあるイエスの誕生を共に喜びましょう。

 似て非なる「預言」と「予言」

 広く一般的に用いられる「予言」は、未来の物事を予測して言うことです。「いついつ、何々が起こる」と警告の意味合いをもってあらかじめ語られるなどしますが、幾つかの根拠から導き出される推測などとは異なり、その根拠は本人以外には不明の場合が多いでしょう。一方「預言」は、直接的、または聖霊によって示される神からの啓示を意味します。その範囲は過去、現在、未来に及びます。預言の使命は、神に従う人々に、今求められている行動、決断について具体的な指示を与えることであり、それは聖霊の権威によってなされます。その場合、預言を受けた者には、神の意志に従うことが求められるのです。

旬人彩人

信仰と創作の緊密度の中で 良い作品が生まれる

小説家
鈴木結生さん

2025年1月、『ゲーテはすべてを言った』(朝日新聞出版)で第172回芥川賞を受賞した福岡市、西南学院大学大学院の鈴木結生さん。今回の受賞作をはじめ、彼の著す各作品には、西洋文学の深い読書経験が生かされている。その土台にあるのは、幼少から親しむ聖書によって養われた世界観、信仰。鈴木さんが集う教会を訪ね、話を聞くと、幼い頃から育まれた文学と聖書への思いがあふれ出た。

あしあと

十二人の里子を育てさせていただいた恵み

日本バイブル・バプテスト・フェローシップ(JBBF)
葛西聖書バプテスト教会牧師、里親/養親
大木英雄

 結婚して七年、子どもが与えられなかったが、里親をさせていただいて、十二人を育てて自立まで見送った。孫も与えられて、それぞれが頑張って生きていく姿を見ることは、何にも勝る喜び。苦労は多かったが振り返れば恵みの日々で、全てに神の守りと助けがあったことを実感している―。

プロフィール
大木 英雄(おおき・ひでお)
1938年、台湾生まれ。1970年、名古屋大学大学院(物理)卒業。1971~76年、名古屋学院高等学校で数学の教諭として勤める。1979年、日本バプテスト聖書神学校卒業。同年、招聘に応えて滝山聖書バプテスト教会の牧師に就任し、2012年まで務める。2014年、葛西聖書バプテスト教会の牧師に就任。養親、里親として、これまでに12人の子どもを育てる。

連載
  • 8最終回 クリスチャンのための言語学教室岩本遠億
  • 30最終回 信仰と思考 〜自分らしさとの出会い2〜豊田信行
  • 32クリスチャン生活手引帖編集部
  • 33おかしなお菓子屋さん乾 幸子
  • 38もっと! 喫茶ホーリー かめおかあきこ
  • 40最終回 墓めぐり人めぐりウォーキングライターK
  • 41この町この教会アッセンブリー 須崎福音キリスト教会
  • 44最終回 ロンドンの窓辺から〜聖書の息吹と女性たち〜 山形優子フットマン
  • 46最終回 海の見えるブックカフェより 大竹海二
  • 48神を知り自分を知る旅路に 重松早基子
  • 50もう一つの『若草物語』〜物語を生み出した女性たち〜
  • 小松原宏子 文/吉田ようこ 絵
  • 54荒野でお茶をみなみななみ・結城絵美子
  • 58Olives 今月のイチオシアイテム編集部
  • 72マンガわたしのための、確かな土台長谷部愛美
  • 78涙を蒔く人ウィルキンソン美奈子
  • 80受け入れること、赦すこと、そして愛すること藤藪庸一
  • 82聖書1/66巻あらまし ナホム、ハバクク、ゼパニヤ山口勝政
  • 90365日ディボーション 神様から信仰を始めるために中村 穣
  • 103ブルーリボン・レポート
  • 104文芸 旅人の詩/短歌/俳句
  • 108クロスワード 
  • 110もぎたてぶどう倶楽部  お便り・BOOK
  • 114定期購読・本誌の表記のご案内
  • 116編集室便り
  • 118献金のお願い
  •       
  • 01誌上ヒトリコテンホンダマモル
  • ホンダマモル:1973年生まれ。埼玉県出身。2016年から画家として活動を開始。展示会「ヒトリコテン」を開催し、絵画作品を発表。手描きだからこそ生み出せる表現を大切に作品を制作している。

 クリスマスツリーは「神の永遠の愛、永遠のいのち」の象徴と言われる。今後はそこに「救世主預言の成就」を加えてはどうだろう。キリストの降誕は旧約聖書で幾度となく「若枝」になぞらえ、預言されているのだから。公正と義を行う「正しい若枝」(エレミヤ23・5)の誕生を共に祝いたい。

2026年 1・2月号 次号予告

特集 『新約聖書』とは何か?

 今私たちが当たり前のように読むことができる聖書。「旧」「新」と分かれているのを、上下巻や前後編と捉える人もいると聞くが、それぞれの名称の「旧」「新」は、契約の違いを指している。では、新約聖書が私たちに伝えている内容は、旧約聖書と何が違うのだろう。新約聖書はどのように成立し、なぜ正典として認められるに至ったのだろう。新しい年、聖書と共に歩む生活のスタートの前に、新約聖書とはいったい何なのか、改めて学んでみたい。