特集
天(うえ)を向いて歩こう
俳優、プロレスラーと、今年、若い著名人の自殺が相次いだ。難病患者の自死を、医師が幇助するショッキングな事件も。一般社会でもこのコロナ禍で、仕事を無くしたり、学業が続けられなくなったり、さまざまな理由で自死を考える人がいると聞く。ただでさえ自殺者の多い日本で、これらを放置すれば悲劇が増える懸念も。この波を止めることはできないか。自分と隣人の不調のサインに気づき、神が愛してやまない一人一人のいのちを守る手だてを考える。
気づいたらハマっていた不安の渦 みなみななみ〔4〕、自分を追い詰めてしまう前の心の対処方 碓井真史〔6〕、心の回復の証し 三つ撚りの糸/ 菅野基似、絶望から希望/ 向日かおり〔12〕、24 時間、いのちの電話を受け止める 藤村良彦〔16〕、キリストの受肉6それは神の愛 ホンダマモル〔18〕
差別とキリスト教 0十字架を避ける生き方、十字架を背負う生き方0
今年5月、アメリカで警察官よる黒人暴行死事件が起きた。それをきっかけに始まった人種差別への抗議活動は全米に広がり、世界へと波及。かつてない規模での展開は今も続いている。キング牧師が人種平等と差別の終焉を呼びかけた名演説、「I have a dreem」(私には夢がある)から既に50年以上が経過したが、アメリカにおける人種差別はなぜなくならないのか? 日本人にとって、果たしてこれは対岸の火事なのか? 差別を生み出す心理と、日本にもある差別の実情に迫り、差別を正当化しないキリスト者としての在り方を考える。
黒人暴行死事件現地レポート 佐藤岩雄〔3〕、神の像をゆがめている時藤本 満〔6〕、世界の差別・日本の差別〔10〕、差別と生きた人たち〔12〕、日本の差別の現場から 柚之原寛史〔16〕、神の息を感じながら生きる金迅野〔18〕
コロナ後、どう生きるか?
新型コロナウイルスの感染拡大は、世界・日本の「当たり前」を激変させ、さまざまな課題や問題点を浮き彫りにした。アフター・コロナ(コロナ後)を私たちはどう生きるべきなのか、識者とともに考える。
【対談】パンデミックの中で、神はどこにいるのか? フランシス・コリンズ博士&ティモシー・ケラー牧師〔3〕、「Life」の危うさをめぐる一考察 梅津光弘〔8〕、社会的に弱い立場のコミュニティーから 坂岡隆司〔11〕、過度な恐れからの脱却 今中和人〔14〕、コロナ関連本紹介〔16〕、コロナ後、新しく生きる 小平牧生〔18〕
本当の敵はどこにいるのか? 0再び争いを生まないために0
過去のパンデミック同様、新型コロナウイルスの感染拡大も、多くの命を奪いながら人間の理性を破壊し、社会に混乱をもたらしている。中でも、感染への恐怖、生活や経済への不安が生み出す敵意は深刻だ。日本では医療従事者への差別や営業を続ける店への嫌がらせなどが社会問題となり、欧州ではアジア人差別も発生した。アメリカ大統領は中国を激しく批判しながら世界保健機関からの脱退を表明するなど、国際協調主義を踏みにじる言動を続けている。敵意を排除し、さらなる大きな争いへ発展させないためにはどうしたら…? 終戦の日のある8月、立ち止まり、考えたい。
争いが生まれるメカニズム 芳賀真理子〔4〕、戦争を否定、和解に生きた米国人宣教師ウォルサー〔10〕、“平和ならしむる者”であろうとした日々 故・渡辺信夫氏著作より〔13〕、“敵意”が敵を作り、キリストが“敵意”を砕く 宮崎 誉〔14〕
疫病に向き合うキリスト教
新型コロナウイルスは、中国から世界に拡大し、高齢者だけでなく若者も含めた死者を多数生み出し完全終息のめどはたっていない。キリスト教二千年の歴史の中でも、何度か疫病の大流行が起こり、信仰者たちが苦しみ、祈りの中を通らされてきた。その歴史を振り返り、教会の対応を調べ、神学的な意味や心構えを探ってみたい。
疫病とキリスト教の歴史〔4〕、礼拝と教会員を守る方策を求めて〔12〕、ウイルス禍についての神学的考察 吉田 隆〔16〕